罪を使用した俳句

俳句例:101句目~

動かれぬ遊女の罪のあつさ哉/正岡子規

千本杭も雪後の晴や罪と罰/沼尻巳津子

吾が罪は百叩きほど金鳳華/磯貝碧蹄館

墻を踏で罪得べしこの梅が宿/高井几董

夏帽のわが職罪につながるや/小林康治

夫とゐて冬薔薇に唇つけし罪/鷹羽狩行

引堀に鴨をたばかる罪ふかし/富安風生

手の中の檸檬の罪はまだ未決/大西泰世

摶たるる夢罪何ならむ肩寒し/石渡芳美

春陰や独り身罪に似たるかに/佐野美智

朝顔や親族罪は伏せしまま/河野多希女

来し方の罪許されて青き踏む/石川冬扇

歎異抄繰るほどの罪犯しけり/石井雅子

死を以て罪は消ゆるか冬薔薇/澤村秀子

水掛けて消ゆる罪あり初詣/江川由紀子

涅槃像勁き視線も罪なるか/河野多希女

濁声の罪ほろぼしに綿摘みぬ/中井洋子

戦争がはじまる亡兄の『罪と罰』/橋口等

あいうえお順は罪なし花魁草/西川世志子

人は罪を綿虫は綿負ひにけり/成瀬櫻桃子

俳句例:121句目~

僧になれば償ふ罪や暮の春/菅原師竹句集

かのユダの罪負ひかくて炎天へ/玉城一香

身の内に罪の部屋あり胡桃割る/鯉沼桂子

詩に債あり今将た前を見さる罪/尾崎紅葉

罪障のかくふかき汗拭きにけり/木下夕爾

さなきだに罪ふかしとや筑摩鍋/井上井月

さめざめと煮るざざ虫の罪と咎/大木孝子

衣更みづから織らぬ罪深し/園女「其袋」

夕月細るその極限の罪を負う/林田紀音夫

蝿を打ち蚊を焼き病む身罪深し/正岡子規

雀巣藁をこぼして法華滅罪寺/市村究一郎

ひばり落つ歓喜に法華滅罪寺/赤松ケイ子

ふゆざくら背骨の罪を積み崩す/天野素子

妻泣かす罪ふりかむり木の葉髪/石塚友二

落葉焚くや忘却といふ罪に生き/武田玄女

捨仔猫見捨てし罪を負ひ帰る/橋本多佳子

炎ゆる日の頬白鳴くも焼罪跡/下村ひろし

罪犯すごとき手足も梅雨めきぬ/小林康治

一と包み罪ほろぼしのさくら餅/成田千空

手波くれ雛を流すは罪ならめ/佐藤陸前子

俳句例:141句目~

落し文ひらきて罪をひとつ負ふ/大橋敦子

牡丹の開き過ぎたることの罪/伊丹三樹彦

竹林のしんそこ青い罪の意識/田邊香代子

子の凧の尾を踏みし罪軽からず/辻田克巳

実梅仰ぎて心で犯す罪かぞふ/田川飛旅子

年玉を呉れたりしこと罪せしむ/岡本圭岳

罪つくる日日の間引菜汁に泛く/下村槐太

木苺噛む罪の一つを消すごとく/木村孝子

流さるる罪のまぶしさ妹脊雛/赤松けい子

年立つや罪負へるごと躄りをり/小林康治

罪なくて配所の月とうたひけり/正岡子規

強霜を罪あるごとく見てをりぬ/石田郷子

罪のごとし囀る鳥の名知らぬは/相馬遷子

罪のごとホースで縛し糞尿車/田川飛旅子

毛深きを罪と思えりゆすらうめ/寺井谷子

罪障のふかき寒紅濃かりけり/鈴木真砂女

月のもと罪あるごとく稲を負ふ/亀田岳水

才能では消せぬもの罪梅大輪/中村草田男

罪消ゆる日ありや囚衣に汗の塩/津田清子

罪ひとつ消えるまで吹く根深汁/鷹島牧二

俳句例:161句目~

罪ふかき女めでたし土用干/鬼貫「真蹟」

息白く打臥すや死ぬことも罪/林田紀音夫

皆罪びとたらむと在りき冬の海/永田耕衣

遠い宿罪動かで近づく昆布船/磯貝碧蹄館

二人して桑の実食うべたりし罪/行方克己

真裸に罪の手のひら二枚かな/赤松ケイ子

知らず知らず女の罪の草いきれ/中村明子

雪間より罪現はるる懼れもつ/田川飛旅子

髪切蟲放つや罪をゆるすごと/百合山羽公

梅雨いつまで罪の加速の車鳴る/成田千空

鷹真澄罪の杜国をおもひけり/阿波野青畝

鷽替へて罪障消ゆる思ひあり/徳沢南風子

罰よりも罪おそろしき絵踏かな/野見山朱鳥

甘藷凍つをわが罪の如隠し棄つ/殿村菟絲子

百足虫出て罪ある如く打たれけり/吉田春江

蓼あかざ裾くらくして罪にほふ/能村登四郎

見ぬ世まで罪問いたるかイエス像/神山姫余

身に入みぬ罪には情なけれども/長谷川回天

げぢげちやつつうらうらの罪と罰/大木孝子

チユーリツプ微塵の罪も無く咲ける/本井英

俳句例:181句目~

ビキニデー罪なき海をにらみけり/山本吟石

罪負うてニセアカシアの五、六本/岩本慶子

ポインセチア皺深き手の罪のごと/永方裕子

穴に入るくちなは罪を負ふごとく/吉田銀葉

罪のごとく瘤負つて駱駝緑蔭に/田川飛旅子

日記始め罪なきつみをしるしけり/松尾春鈴

樹に触れてたちまち罪が重くなる/大西泰世

罪を負ふごとく百足の逃げ惑ふ/百合山羽公

ながれくる毛髪これはぼくの罪/高野ムツオ

百合花粉拭いてもとれぬ罪のあと/大森富士子

罪の如し梅雨ひつそりと輸血受く/殿村莵絲子

罪なきもの石もて摶てと蛇出づる/稲垣きくの

もろこしの毛ほどの罪を曳きずれり/柴田朱美

雲雀/土龍罪とおもはゞ告げて来よ/川口重美

てのひらに手をかさねつつ罪を消す/大西泰世

すみれ野に罪あるごとく来て二人/鈴木真砂女

さるすべり罪人なれば罪の子得む/磯貝碧蹄館

亥の子餅搗かねば罪を負ふごとし/丸山渓風子

師走寒し血を出す罪と火を出す罰/磯貝碧蹄館

あとずさりわが彳つかぎり罪のなし/石川桂郎