曰くに関連した俳句の例をまとめました。
曰くを含む俳句例
初夢や独占ふて曰く吉/小沼松軒
子曰く孔子廟頭読始む/田中水桜
釈奠や厳かに師の曰く/伊藤松宇
花散りぬ曰く大仏曰く鐘/正岡子規
冬枯や曰く庭前の松樹子/正岡子規
稗蒔や百姓鶴に語て曰く/子規句集
藺帽子の主の曰く万事了/高野素十
都鳥囀つて曰く船頭どの/正岡子規
主曰く村一番の日向ぼこ/遠入たつみ
緋の蕪の三河島菜に誇つて曰く/子規
掛乞の曰く主人の曰くかな/正岡子規
病篤しと竹馬の子の曰く/波多野爽波
ぬかづいて曰く正月二日なり/夏目漱石
老師曰く百足虫の足は百以上/鈴木鷹夫
下戸狸雜煮の腹を叩いて曰く/正岡子規
姑曰く谷原は寒く波郷亡し/星野すま子
夢に美人来れり曰く梅の精と/正岡子規
師曰く諸子自ら焼きたまへ/佐々木六戈
納言曰く歯無き女の柿喰ひて/会津八一
蝿除にはさまる手紙曰くあり/鵜沢玻美
俳句例:21句目～
蠅除にはさまる手紙曰くあり/鵜沢玻美
長生きをしさう風蘭見て曰く/高澤良一
古歌に曰くちとせぞ見ゆるかがみ餅/宗因
王曰く此の盞のあかつきの停止/加藤郁乎
傾城曰く歸らしやんすか此雪に/正岡子規
禅寺に和尚答へて曰く、味噌!/筑紫磐井
麦曰く斯く熟しては切に寂しと/永田耕衣
蓮の實曰く豐干饒舌と終に飛ぶ/正岡子規
曰くありげな名を貰ひたる破れ傘/高澤良一
桃曰く憂きものはわが種なりと/河原枇杷男
棉の実に種あり曰く言ひがたし/正木ゆう子
蟷螂曰く書は姓名を記するに足る/会津八一
海老は鎧。海鼠の裸を笑つて曰く/正岡子規
賀状来て曰くぽちぽちやつてます/高澤良一
清水ありや婆子曰く茶を喫し去れ/正岡子規
烏鳶をかへり見て曰くしぐれんか/正岡子規
問ふて曰く稻の稻子の鳴くや否や/正岡子規
歌ふて曰く納豆賣らんか詩賣らんか/正岡子規
楫して曰くうから寝しやと夜の蟻/千代田葛彦
揖して曰くうから寝しやと夜の蟻/千代田葛彦
俳句例:41句目～
裏白のある夜伊勢海老に語って曰く/正岡子規
サンダルのプラトン曰く真/善/美/高澤晶子
じやがいもの花に曰くのけぶらへる/木方朝子
花を折つてふり返つて曰くあれは白雲/藤野古白
食客津波須を晒うて曰く冠の玉の如し/尾崎紅葉
茶の青実曰く「阿留辺幾夜宇和」とは/高澤良一
恵林寺のくわりんの曰く「やう来た」と/高澤良一
杖の古老曰く島を出るため波止場はある/伊丹三樹彦
波郷曰く生ビールのむ時「天下腹中に来る」/橋本夢道
