唾を使用した俳句

唾に関連した俳句の例をまとめました。

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唾を含む俳句例

天心のが唾垂れ立葵/坪内稔典

散る柳大粒の唾屋上ゆ/香西照雄

少年の唾曇天の蔦若葉/藤岡筑邨

梟や唾のみくだす童の目/加藤楸邨

東京へ夕立遣らん唾して/正岡子規

白い唾で濯ぐ石斧の養老院/赤尾兜子

手に唾し冬の重力倒すなり/和田悟朗

早き日没鳩の絵に唾を吐き/和田悟朗

己れ包むに唾吐く蟲や夏蓬/田村木國

唾さるゝ四手の網の小かな/尾崎紅葉

銀行員に早春の馬唾充つ歯/金子兜太

くたびれて唾の甘さよ姫女苑/小川軽舟

幼き日の母の唾恋ふ蟆子の跡/池上樵人

連翹に唾して窓の郡守かな/楠目橙黄子

青蜥蜴唾をごくりとわれ愛す/山口誓子

餅白くみどり児の唾泡細か/中村草田男

吐く唾に降誕祭のネオン映ゆ/宮武寒々

馬刀の潮天に唾する如くなり/高澤良一

唾すれば唾を甘しと吸ふ砂漠/津田清子

唾せば若し夕立となりやせん/正岡子規

俳句例:21句目~

唾でくり呑ます話術に蜃気楼/関本夜畔

唾のめば耳ぽんとあきお花畑/土生重次

唾はけばはつと散りけり水馬/正岡子規

唾壺に龍はかくれてけさの春/正岡子規

唾壺をたゝく隣や小夜しくれ/正岡子規

唾せばもし夕立になりやせん/正岡子規

この涯に彩なく唾る顔うごかず/片山桃史

コレラ怖し己が唾さへ呑む怖し/前田一雄

唾したる高欄や暑気なほのこる/飯田蛇笏

唾らむとせり秋風の岩めぐり/石橋辰之助

暑き河に憤怒の唾を吐き又吐く/西東三鬼

唾に噎せ総毛立ちたる昼寝かな/京極杞陽

唾つけて鏝ためす窓野を焼けり/宮武寒々

七月軍港帰還の唾を海へとばす/皆川白陀

社会鍋の喇叭の唾を道へ振る/田川飛旅子

虎杖を噛めば唾わく岨の青さ/榎本冬一郎

誰そ靴に唾はきしわが師走かな/飯田蛇笏

舌打ちのあと唾吐いて夜の浅蜊/武田和郎

唾をのみ犬も仔猫を愛憐しむや/木津柳芽

唾はいて幽かに石蕗の月に閉づ/飯田蛇笏

俳句例:41句目~

つむぎ糸唾もてなだめつづける春/細見綾子

スター/ウォーズ薊に唾す中学生/菊川貞夫

負独楽に唾くれて紐まきはじむ/佐藤南山寺

唾吐いてかすかに石蕗の月に閉づ/飯田蛇笏

風の中唾ためて貨車見すごせる/林田紀音夫

黙って唾ふくらますさびしがりや/伊藤完吾

独楽の子に唾がくすりのかすり傷/下村ひろし

色なき風強歩の唾を酸くしたり/長谷川かな女

唾する地にぬかづいて生くる人ありし/善方牛臥城

鼻輪失せてもディオニッソスは怒る唾/八木三日女

噛みタバコの唾吐いて波止場で老いゆく/下山英太郎

父の手紙が今年も深い雪のせいだと貧乏を云うて来る真実なあきらめへ唾をのむ/橋本夢道