長屋に関連した俳句の例をまとめました。
長屋を含む俳句例
早梅や奥で機織長屋門/吏門
故郷も隣長屋か虫の声/其角
大阪の芸人長屋吊忍/斎藤朗笛
お長屋の老人会や鯨汁/正岡子規
長屋中申し合せて煤拂/正岡子規
煤拂を申合せし長屋哉/正岡子規
青物を軒に培ひ長屋夏/石塚友二
朝霜に摺餌摺るなり歩長屋/梨月
長屋中申合せぬ煤掃ひ/正岡子規
日暮から長屋へやつて砧かな/如元
蜆買ふ長屋の窓の高さ哉/正岡子規
息白し長屋の空に変圧器/沢木欣一
松納傾き古りし長屋門/吉野左衛門
橙飾る昔をしのぶ長屋門/高田嘉助
お長屋や黄に紅に鶏頭花/河東碧梧桐
かいまみる寒竹長屋冬の婆/正岡子規
十軒の長屋とりまく木槿哉/正岡子規
行水や美人住みける裏長屋/正岡子規
天高し橿となりたる長屋王/中杉隆世
蟻地獄長屋のごとく並びけり/日原傳
俳句例:21句目～
夕顔に顔子住みたる長屋哉/正岡子規
春菊や長屋の庭の夕ながめ/正岡子規
長屋夏大砲をうつ兵出たり/細谷源二
更けて寧し礦夫長屋の油虫/小林康治
顔を出す長屋の窓や春の雨/正岡子規
井戸替の綱曳きに出る長屋哉/星野麦人
酌むも車座礦夫長屋の風鈴よ/小林康治
夕かほや顔子も居らん裏長屋/正岡子規
郷土史を売るぼろ市の長屋門/菅田静歩
差向ひ屠蘇祝ひ居る長屋かな/篠崎霞山
御玄猪や火燵もあけぬ長屋住/正岡子規
憲法記念日裏町長屋見透しに/石川桂郎
探梅にきて長屋門見ていたり/岩波文子
かたばかり長屋の前の木槿垣/正岡子規
路地裏の長屋に大き長火鉢/山根きぬえ
燈濃き玻璃多き長屋ぞ春の月/香西照雄
破芭蕉長屋からくも雨漏無し/香西照雄
鐘楼の下の長屋のよなべかな/増田龍雨
長屋がち落ちこんで咲く遅桜/香西照雄
はじまりし柿の落葉の長屋門/中尾吸江
俳句例:41句目～
長屋門くぐりて秋の大藁屋/高野イツ子
鳳仙花空けば又住む門長屋/石島雉子郎
長屋門映す代田となりにけり/梅本安則
ははきぐさ長屋門のみ残す庭/中村茂男
青葉闇四壁に長屋孤われのみ/石塚友二
窓ならぶ長屋つゞきの蚊遣哉/正岡子規
鮎の簗長屋に透けて遠ざかる/増田甲子
長屋門のうちにも外にも秋桜/川島かほる
長屋門入れば大根引いてをり/大峯あきら
しだり尾の長屋々々にしやうぶかな/嵐雪
長屋から二人立ちけり富士道者/野村喜舟
一と注連に睦み合けり長屋の戸/井上井月
長屋めく雁木通りをたもとほる/内田芝石
びつしりと鬼木打ちたる長屋門/和田孝子
駅頭に藪を出づ長屋鶏頭燃ゆ/河東碧梧桐
長屋門出づれば寒の芹田かな/大峯あきら
水打つて長屋づきあひ馴れにけり/森川暁水
ばらばらの坑夫長屋のぼうぼうたり/穴井太
木芽ふいてうこぎ長屋の人もなし/正岡子規
木の芽風かたく閉ざさる長屋門/山川せつ子
俳句例:61句目～
芽木長屋夜濯ぎに鳴るポンプいくつ/飴山實
柚子熟るる夜は夜半の威に長屋門/猪俣千代子
降って湧きし銭苔長屋に梅雨明けて/香西照雄
秋の夜の独身長屋むつましき/一茶/享和三年癸亥
兵舎長屋夏草に燈ともし出航真際の船の如し/橋本夢道
酔へば怒号に長屋浮立つ野分かな/滝本顔女/『絵踏』
