季語/花御堂(はなみどう)を使った俳句

「花御堂」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「花御堂」について

【表記】花御堂

【読み方】はなみどう

【ローマ字読み】hanamido

子季語・関連季語・傍題・類語など

・花亭(かてい:katei)

季節による分類

・「は」で始まる春の季語

・「春の行事」を表す季語

・「晩春」に分類される季語

月ごとの分類

4月の季語

花御堂を含む俳句例

門前に瀬戸の青潮花御堂/昭彦

里の子や烏も交る花御堂/一茶

松原を水の果に花御堂/上村占

山寺や五色にあまる花御堂/蓼太

花御堂花の卍は母子草/河野静雲

道少し汚れて雨の花御堂/高澤良一

寛永寺大玄関に花御堂/池内たけし

現世は篠つく雨や花御堂/西井静子

寺町に尼寺一つ花御堂/松本たかし

花御堂花の甍の屋根四方/河野静雲

近在の金盞花葺き花御堂/高澤良一

山寺や人も詣らぬ花御堂/高濱虚子

蓮の花御堂に西の主かな/松瀬青々

糸流す蜘蛛の顔あり花御堂/上村占

蓬草軒葺き垂れて花御堂/松藤夏山

御前に菖蒲の池や花御堂/河野静雲

結界に拝して遠き花御堂/有富久恵

花御堂音羽の鐘も雨の中/今泉貞鳳

花御堂母の延命のみ願ふ/嶋田麻紀

ビル風の中の一角花御堂/高木聡輔

俳句例:21句目~

東より西より柄杓花御堂/鷹羽狩行

尼寺の畳の上の花御堂/松本たかし

椿厚く葺けば傾く花御堂/堀口星眠

鉄筋の堂に白木の花御堂/秋山暮谷

何色の何が寒きか花御堂/金田咲子

僧林の僧一人なる花御堂/江本如山

水仙を四柱に束ね花御堂/高澤良一

水郷に寺町ありて花御堂/河野静雲

池水を床下に引き花御堂/綾部仁喜

大仏の前の大きな花御堂/石倉啓補

洋花の香りの高き花御堂/伍賀稚子

花御堂花重なりて匂ひけり/及川貞

花の塔四方の扉に八天女/近藤一鴻

花御堂尚ほのかなる暮の星/石井露月

花御堂柱かぼそく塵もなし/堀口星眠

花御堂葺くや刀自もす腰衣/河野静雲

花御堂金銀の蛾の歩きゐる/岸本尚毅

西山の寺といふ寺花御堂/阿波野青畝

門前にあをあをと海花御堂/高野素十

降りつゝむ雨も匂へり花御堂/伊藤純

俳句例:41句目~

雪山はうしろに聳ゆ花御堂/石井露月

ぐんぐんと空は縹に花御堂/黒田杏子

急に人減り花御堂取り去られ/上野泰

扁額に精舎とありぬ花御堂/関ただお

青木の実卍にくめり花御堂/片岡奈王

静かなる上野の雨や花御堂/中島斌雄

首のなき地蔵の列果て花御堂/草田男

浜風に花びら立ちて花御堂/松藤夏山

むしばめる四本柱や花御堂/河野静雲

田舎には田舎の花の花御堂/高澤良一

絵蝋燭惜しまず尼の花御堂/山田孝子

老人に囲まれてゐる花御堂/内田美紗

花御堂幼童の釈迦甘露受く/松井利彦

花御堂もろびと散りて暮れ給ふ/草城

仏法の美しさ見よ花御堂/東洋城千句

入相の鐘にほどかれ花御堂/清水悦子

花御堂八瀬のさと人並びけり/蒼きう

花御堂四人葺き居て別意匠/河野静雲

大佛のおん前小さき花御堂/狹川青史

花御堂守は檀家の古老にて/高澤良一

俳句例:61句目~

つゝじ多き田舎の寺や花御堂/正岡子規

菜の花の色こそ濃けれ花御堂/松藤夏山

ある寺の障子ほそめに花御堂/高野素十

いと小さき萩寺さまの花御堂/石塚友二

律院に花御堂あるばかりなり/京極杞陽

花散るや昨日はここに花御堂/岩田由美

花御堂葺くげんげ笊つゝじ笊/宇野萩塘

振り向けば雨の中なる花御堂/岩田由美

月まどか夜籠りに葺く花御堂/荒井正隆

花御堂つつみあまねし花の山/中山純子

つつじ多き田舎の寺や花御堂/正岡子規

針子居るまづしき寺や花御堂/有馬草秋

練稚児の真日浴びて着く花御堂/下田稔

花御堂の花にちりばめ桜んぼ/河野静雲

花御堂巨勢野の花を摘み集め/右城暮石

花御堂虚子一族の手につくる/山口青邨

二僧花御堂を作る古い板の間/喜谷六花

花御堂の下に下足の夫婦かな/高浜虚子

人絶えて風訪ふばかり花御堂/高澤良一

四方より杓にぎはしや花御堂/川田十雨

俳句例:81句目~

花御堂据うる畳を拭きゐたり/大石悦子

大空の下あるき来て花御堂/吉岡禅寺洞

花御堂新たなる風呼びにけり/高澤良一

花御堂日の出日の入相似たる/岸本尚毅

花御堂永き日影のさめにけり/渡辺水巴

エリーゼの為に煩き花御堂/佐々木六戈

屋根替のさなかの寺の花御堂/奈良鹿郎

花御堂ありて石階のぼりけり/河野静雲

花御堂満山いろを見せにけり/古舘曹人

萎え易き花も混りて花御堂/佐藤美恵子

葺き終へて散華の中や花御堂/大網信行

紅がちと黄がちの二寺の花御堂/森田峠

蚊屋つりの草もさげてや花御堂/千代尼

蝶々も来て乳を吸ふや花御堂/横井也有

西山の日はまだ高し花御堂/大峯あきら

男手になりて掃きをり花御堂/大石悦子

花御堂参りの男女ふと途切れ/高澤良一

松落ちて這へる毛虫や花御堂/河野静雲

花御堂四つの柱の見ゆるなり/後藤夜半

静かにもいつも人ゐる花御堂/岩田由美