俳句例:101句目～
燈台の昼羽抜鶏かくれなし/秋元草日居
片足を地にゆづりあひ羽抜鳥/雨宮抱星
羽抜鶏追はれて墓も笑ふべし/桂樟蹊子
羽抜鶏身を削りたる如くをり/大石暁座
羽抜鶏水あふぎのむ眼澄み/小原菁々子
砂跳ねて羽抜鶏消ゆ日本海/能村登四郎
羽抜鶏はたとつるむや花南瓜/太田鴻村
絶叫のあとうろたえて羽抜鶏/河合凱夫
羽抜鶏ふかれてはある爛れかな/中田剛
羽抜鳥とぶがらあきの北の空/成田千空
羽抜鳥馳けて虚無僧通りけり/鈴木花蓑
そもそもは夜店のひよこ羽抜鶏/若月勝男
スランプや聖者の貌の羽抜鶏/浅沼眞規子
ピアノ連弾走り出したる羽抜鶏/佐川広治
羽抜鳥風に吹かれて歩むかな/楠目橙黄子
奪衣婆にいためられたる羽抜鶏/黒川芳穂
己れ動けば句もまた動く羽抜鶏/石原八束
後悔のみたびは忌みぬ羽抜鶏/河野多希女
眼光はピカソのごとし羽抜鶏/堀越せい子
立ち出づるより脛吹かれ羽抜鶏/稲島帚木
俳句例:121句目～
羽抜鳥みてくれよりは達者なり/高澤良一
羽抜鶏影を掃かれてをりにけり/柴崎七重
羽抜鶏怒濤に向ひたかぶれる/加藤かけい
羽抜鶏悲運のごとく追はれけり/小林康治
羽抜鳥知らぬ強みといふがあり/平子公一
羽抜鶏梯子見上げてゆきにけり/河合照子
羽抜鶏溝川へおちてけたたまし/中尾白雨
羽抜鶏片目にわれをとらへけり/古館曹人
羽抜鳥逃ぐるに羽根をつかひけり/中里結
羽抜鳥鳴きて声佳きことかなし/稲畑汀子
羽抜鶏羽抜けしままに交みけり/近藤一鴻
羽抜鶏翔ぶ姿して駈け出せり/猪俣千代子
羽抜鶏傷つき合うてみな生きて/村越化石
羽抜鶏見事に鬨をつくりけり/大木あきら
羽抜鶏蹴つたる羽を被きたる/佐々木六戈
羽抜鶏蹴りたる羽を被きたる/佐々木六戈
羽抜鶏追ひこむ山雨しみし門/米澤吾亦紅
羽抜鶏逃げそこなひし口ひらく/加藤秋邨
羽抜鶏駈けて山馬車軋り出づ/水原秋櫻子
羽抜鳥身を細うしてかけりけり/高浜虚子
俳句例:141句目～
羽抜鶏鶏冠火燃つし雌を愛しむ/石塚友二
羽抜鶏おのが想ひの潰えけり/河野多希女
胸に飼ふひとりひとりの羽抜鶏/栗林千津
蕗とりの僧を追ひゆき羽抜鶏/岩城のり子
追ふ鳥も追はれる鳥も羽抜鳥/栗林/典子
道の辺に羽抜鶏とて追はれしや/小林康治
羽抜鳥折り積む柴にかくれけり/大谷句佛
飛白着て羽抜鶏ほど駆けしのみ/貝塚放朗
羽抜鶏かゆくかなしく走り出す/横山衣子
羽抜鶏空みし眼もて人をみる/柴田白葉女
瓢々と歩きつかれぬ羽抜鶏/吉武月二郎句集
羽抜鶏地にくくられて鳴くばかり/太田鴻村
羽抜鶏うらがへされてゐたりけり/仙田洋子
棒立ちに佇つが見えたり羽抜鶏/百合山羽公
羽抜鶏羽ばたくたびに痩せにけり/近藤一鴻
羽抜鶏羽ばたくときの胸の張り/能村登四郎
時つくることをしきりに羽抜鶏/冨田みのる
旗に風ある都電を見しや羽抜鶏/磯貝碧蹄館
羽抜鶏鳴くまではわが内に飼ふ/小檜山繁子
羽抜鶏はばたきながら下りて来る/岸本尚毅
俳句例:161句目～
強がりのわれにも似たり羽抜鶏/吉木フミエ
記念写真をよこぎつてゆく羽抜鶏/大石雄鬼
いつからか使はぬ井戸や羽抜鶏/大木あまり
羽抜鳥河原に死んでゐたりけり/大場白水郎
フルートを吹かずにおれば羽抜鶏/伊達甲女
ハーモニカ吹けば寄り来る羽抜鶏/岸本尚毅
やすやすと抱かれて腕の羽抜鶏/深見けん二
まなこ閉ぢ海女に抱かるる羽抜鶏/梶原宇良
おっとりと過ごしてゐては羽抜鳥/高澤良一
羽抜鶏のどふくらみて鬨なさず/山崎冨美子
羽抜鶏馳け出して憂さ晴らしけり/鈴木真砂女
羽抜鳥この身の末をみよとかな/久保田万太郎
羽抜鶏背負ひあきんどと門を出づ/米沢吾亦紅
羽抜鳥逐ふとなく湯屋へ行きにけり/中島月笠
羽抜鶏みなをんどりでありにけり/小笠原和男
羽抜鶏走れ痛いの痛いの飛んで行け/正木海彦
まずしきもの寄合えば羽抜鳥めきて/細谷源二
ふりたててとさかさびしき羽抜鶏/鷲谷七菜子
目が合うて波止につきくる羽抜鳥/小関/芳江
羽抜鶏追はれつんのめり起きて闊歩/福田蓼汀
俳句例:181句目～
羽抜鶏もんどりうつてスコール来///タイ、インドネシア/高澤良一
