季語/八朔(はっさく)を使った俳句

「八朔」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「八朔」について

【表記】八朔

【読み方】はっさく

【ローマ字読み】hassaku

子季語・関連季語・傍題・類語など

季節による分類

・「は」で始まる秋の季語

・「秋の時候」を表す季語

・「仲秋」に分類される季語

月ごとの分類

9月の季語

八朔を含む俳句例

八朔や在所は鯖の刻み物/野坡

八朔や一重羽織も空の色/成美

八朔の天上大風響き止む/原裕

八朔や犬の椀にも小豆飯/一茶

八朔や犢が売れし祝酒/後藤是山

八朔や火色ある星黍に見ゆ/桃孫

八朔や扨明日よりは二日月/蕪村

盆やすみて八朔梅の星月夜/淡々

八朔や雀ののぼる鬼瓦/大嶽青児

八朔や浅黄小紋の新らしき/野坡

八朔や谿の底より揚花火/辻桃子

八朔や町人ながら京留守居/太祇

八朔や旅は寝がちの物忘れ/暁台

八朔の闘牛の角鎌で研ぐ/棚山波朗

八朔のさぞ稲雀竹にさへ/加舎白雄

八朔の雲見る人や橋の上/内藤鳴雪

八朔や仏は赤く在します/中村雅樹

八朔や仏壇の中こゑのして/浜明史

八朔や赤き雨降る蕎麦畑/藤原款冬

八朔や積む薪匂ふ登り窯/加藤耕子

俳句例:21句目~

八朔や町に行く灯の一つづつ/団水

八朔の飯のかをりや角力宿/増田龍雨

八朔やかたびらさむし酒酌まむ/樗良

八朔やばさばさ乾き檻の鳶/皆川白陀

八朔やまあたらしくも夜の墓/中田剛

八朔の百姓が屋根青く塗る/木村蕪城

八朔や出村の橋の渡りぞめ/井上井月

八朔の夜空は山の匂ひせり/皆川盤水

八朔や葎の母の無事を問ふ/松瀬青々

八朔の横にして干す塩の壺/長谷川双

八朔の芋が秤をこぼれけり/青木綾子

八朔の身を養へる陀羅尼助/大石悦子

八朔の風のゆききも高瀬川/関戸靖子

しづかなる汗八朔の白がさね/筑紫磐井

八朔のきのふは松の下涼み/宇佐美魚目

八朔のさかやき剃りにまはるらん/嵐竹

八朔の棚田明るしたぢからを/橋本榮治

八朔の人の出入の紺のれん/安田源二郎

八朔やいよいよこぞる竹の青/皆川盤水

雲井なる富士八朔の紫紺かな/飯田蛇笏

俳句例:41句目~

八朔やわが真乙女の湯浴ごゑ/藤田湘子

八朔や吹きこぼれたる小豆飯/渡辺大年

八朔や四座の登城の袖かへす/黒柳召波

法廷や八朔照りのカンナ見ゆ/飯田蛇笏

八朔や夜なべはじめの芋の汁/寺崎清子

八朔や太鼓うながす巫女の鈴/小川軽舟

浄め塩打つて八朔相撲かな/蔵内明鏡子

八朔の小地獄の噴く馬屋の前/笹原耕春

八朔や日は炎えながら秋の風/竹尾梅塢

八朔もとかく過ぎ行くをどりかな/蕪村

八朔や濡れたる海の幸供へ/加藤三七子

八朔の雲たかだかと蓖麻実る/石原舟月

菱採りや八朔過ぎて雲白し/岡本癖三酔

農捨ててなほ八朔の飯を炊く/阿部湖風

八朔や穂草にからむ鈍の蔓/稲垣きくの

八朔の祭りカラオケ賑やかに/戸田利枝

八朔の大峰の山荒れ来たり/矢田部美幸

八朔のででむしころげ落ちにけり/安住敦

八朔の大河気息をととのへり/北見さとる

八朔の光さだまる田のおもて/鷲谷七菜子

俳句例:61句目~

八朔の鯉のいろめきたちにけり/岡井省二

八朔やあかつきかけてつよき雷/新保旦子

八朔や煮られて白きさかなの眼/池田秀水

八朔の節供に田の面見てあるく/藤井紅葉

八朔や白かたびらのうるし紋/坂東みの介

八朔の意地はつてこそ戀なれや/筑紫磐井

声あげて八朔の夜の火が走る/福田甲子雄

八朔の酔野に出でてさめにけり/高田蝶衣

八朔の田や人の手をはなれたる/森田公司

八朔やこじきも江戸の生れにて/正岡子規

八朔や農夫ばかりの山あそび/窪田佳津子

八朔や灰をまぶせる灰わかめ/ながさく清江

時化ぬけの八朔踊もやるといふ/長谷川素逝

八朔や立てて峰なすにぎりめし/和田伊久子

八朔の温泉によそものゝ母娘かな/『定本石橋秀野句文集』