俳句例:101句目～
日除綱さはりたる手を弾くかに/松藤夏山
日除柱凭るべくありし夕かな/楠目橙黄子
船ゆきて日覆も波の上ゆけり/山口波津女
日覆舟乗りすてゝあり沖の島/軽部烏帽子
船発ちて白き日覆に煤降らす/山口波津女
花市のあしたの日覆花にほふ/山口波津女
日覆舟揺れつ仲仕ら飯食めり/五十嵐播水
支へ棒引き上げ日覆吹き上る/池内友次郎
日覆舟物売る鐘を鳴らしつつ/五十嵐播水
わが洋車牡丹を描ける日覆もつ/山口青邨
日覆の下のテーブル皆白し/朝谷/又三郎
木蓮花日覆の端にすこし見ゆ/長谷川零餘子
石工今恵比寿を創る日除けかな/阿波野青畝
日覆に針のやうなる洩れ日かな/松本たかし
病むわれの父あきなひの日覆張る/国弘賢治
のうぜんが日除けをなせる小座敷/田中冬二
はためきて影まひあがる日除かな/栗山渓村
三日月にたゝむ日除のほてりかな/渡辺水巴
遊船のたるむ日覆に日がみなり/百合山羽公
大いなる背中の見ゆる日除かな/藤田あけ烏
俳句例:121句目～
立秋の日除ふかぶかおろしけり/鈴木真砂女
西瓜積んで舟が着いたり日覆巻く/林原耒井
生き代り石の屋に住む日除して/鍵和田ゆう子
転舵しつつあり日覆より陽はみ出す/津田清子
仏蘭西語日除の前をすぎてききぬ/水原秋櫻子
日覆のはためきて発光体のごとし/猿橋統流子
シトロエン乗りつけてある日除けかな/長谷川櫂
おもひでの町のだんだら日除かな/久保田万太郎
火山灰の風牛の日除けの茣蓙焔立つ/殿村莵絲子
