皺を使用した俳句

皺に関連した俳句の例をまとめました。

スポンサーリンク

皺を含む俳句例

寒く手の皺/栗林一石路

油焔寒し廃塩田の水の皺/原裕

鱒泳ぐ初秋風の水の皺/森田峠

若水に皺影笑ふあしたかな/杉風

底冷や腰越状の皺幾重/山西雅子

春蘭や尼に眉間の皺はなし/静塔

湖の尖る水皺真菰枯る/長岡貝郎

辛夷咲く方へ方へと湖の皺/黛執

初鏡縮緬皺の見事なる/相良知子

走馬燈舳がきざむ笑ひ皺/竹中宏

百年の畳み皺ある武者幟/進峰月

永き日の崖の皺または襞/中田剛

笑ひ皺ふかめし翁新走/長谷川和子

牡蛎筏潜みし海の笑ひ皺/平林恵子

冬に入る平等院の水の皺/原コウ子

朝市の農婦の皺や草の餅/梶原敏子

秋老て九月の月の皺寒し/正岡子規

有難く干梅に皺生れけり/藤田湘子

皺多き着物の裾の沈丁花/細見綾子

皺の手を膝に淋しき紙衣かな/許六

俳句例:21句目~

冬瓜を二つ並べし脳の皺/柿本多映

燕世の皺となり日雇群る/岩田昌寿

水皺や風そと通り浮寝鳥/鈴木花蓑

一撃の皺が皺よぶ夏氷/能村登四郎

出て見るや雷干の皺加減/吉田冬葉

鴨の水ゆるびて皺む塔の影/松本進

折皺に難癖申す油団かな/大石悦子

濁り江の泡に皺よる暑さかな/几董

團子もむ皺手耻かし魂祭/正岡子規

朝顔や縮緬皺の二葉あげ/河野静雲

滝に皺入りて雪村観瀑圖/高澤良一

皺のばす朝顔の種つつむ紙/桂信子

初蝉のふと銀箔を皺にせる/澁谷道

頬皺の深き杣なり冬帽子/松藤夏山

芦の芽やゆふべ迄なき水の皺/素丸

外套に考えし皺残りけり/恒藤滋生

陽炎の手の皺からも立にけり/一茶

銀紙の皺の真実六日かな/長崎静江

信にのみ生きて深皺炉を守る/林翔

身を曲げて山椒の曲り皺/山口誓子

俳句例:41句目~

手の皺が歩み悪いか初螢/小林一茶

外套の皺が街ゆくにはか寒む/林翔

北斎の皺千条の淑気かな/都筑智子

八咫鏡梟に皺ありにけり/各務耐子

街角に金一途の小皺ため/古舘曹人

うめ折て皺手にかこつ薫かな/蕪村

冬からの皺をぬがばや更衣/千代尼

柏餅口へ集まる老の皺/田川飛旅子

一日着て麻服に皺松の風/長谷川櫂

喉首をぐるりの皺や鯉幟/如月真菜

世の中をうしろの皺や衣がへ/支考

はまなすや樺太までを海の皺/飴山實

折皺の気になる宝船を敷く/大石悦子

雪捨つる白鳥の湾皺ませて/小林康治

生き皺に煙からまる村芝居/武田伸一

霧の夜や皺生れ来る温め乳/都筑智子

青年の笑ひ皺よしソーダ水/飯島香代

革ブーツ人間の皺ありにけり/辻桃子

額に皺よせて南蛮煙管かな/川崎展宏

お接待皺の蜜柑の甘かりき/沢木欣一

俳句例:61句目~

額の皺しづかに深し冬紅葉/原コウ子

牡丹見る縮緬皺の腕組んで/湊楊一郎

朝草の籠負い皺の手の長さ/西東三鬼

死の汗や女の負目皺深く/小松崎爽青

顔の皺鏡にふかむ文化の日/相馬遷子

鱒の子の幾万育つ水皺かな/清水基吉

麦踏や山皺ごとに靄こめて/高田蝶衣

麻服の皺つよく敵多かりし/菅原鬨也

ねはん会や皺手合する珠敷の音/芭蕉

照り昃り皺む砂原農馬の市/成田千空

麻服の臀は皺をたくはへぬ/大石悦子

激情を日焼の顔の皺に見し/星野立子

湯豆腐や年輪かさね笑ひ皺/松浦頼子

もろもろの縦皺凄し燕子花/三橋敏雄

深皺を尻に集めし隼人瓜/滝沢伊代次

涅槃図の巻皺象の鼻ゆがむ/川原友江

ナイターの監督の皺大写し/東野鷹志

涅槃図の巻き皺三百年の皺/平畑那木

春のうららの川幅と顔の皺/藤谷和子

一字金輪佛喉の皺の涼しかり/辻桃子

俳句例:81句目~

炉開きや火箸握る手皺刻む/野沢馥睡

三ケ日袴の皺に過ごしけり/前川素泉

波皺に鵜の現はるゝ初日かな/白水郎

人生の皺をたゝめる日焼顔/小島隆保

兒の手を皺手に握る火燵哉/正岡子規

冬を耐ゆ象は全身皺にして/多賀庫彦

冬柿の皺になるまで風の中/橋本榮治

春の野が尻に冷たし靴の皺/池田澄子

凍る日の陳痛の皺鶏卵に/小檜山繁子

初凪といふ美しき海の皺/吉田美佐子

北国人夫に荒き顔皺桃の花/寺田京子

喇叭手でありし口皺濁り酒/遠山陽子

地の氷は皺の氷や離婚の妹/寺田京子

春水の縮緬皺や北風添へば/栗生純夫

夏の月紙帳の皺も浪と見よ/正岡子規

夏服の皺や男に旅愁なし/米澤吾亦虹

夏羽織皺見ぐるしく旅終る/日野草城

夏近し国旗/国家のたたみ皺/三池泉

象の目の皺となりたる寒旱/能村研三

昼顔の花に皺見るあつさ哉/正岡子規