剃刀に関連した俳句の例をまとめました。
剃刀を含む俳句例
大髭に剃刀の飛ぶ寒さ哉/許六
研ぎ上げし剃刀にほふ花曇/草城
粧ふに剃刀使ふ近松忌/松尾和子
剃刀の思ひ出話添水鳴る/石川桂郎
縁板の剃刀どめや牡丹雪/阪本謙二
芝桜安金剃刀捨て場なし/宮脇白夜
芹の根を洗ひし溝に剃刀も/川端茅舎
剃刀を手に強霜の陽を怖る/石原八束
川青く剃刀磨ぎは足病めり/細谷源二
亡き父の剃刀借りぬ白木槿/福田蓼汀
秋風や砥の滑らかを剃刀は/野村喜舟
剃刀あてて数へてゐたる青瓢/森澄雄
剃刀で黒子傷つけ酷寒へ/田川飛旅子
新涼の剃刀触るゝ頬たかく/西島麦南
晩夏光夫に剃刀錆びやすし/嶋田麻紀
男の顔の剃刀傷や春寒し/高橋淡路女
剃刀のその切れ味の桂郎忌/川端展宏
稗蒔や襟に剃刀あてらるる/大石悦子
膚に触る剃刀おぞや冬籠/島村元句集
剃刀の替刃さがすや桂郎忌/羽田岳水
俳句例:21句目～
剃刀の髪が湯に散る遠木枯/鈴木鷹夫
剃刀や一夜に金精て五月雨/野沢凡兆
剃刀に蝿来て止まる情事かな/寺山修司
理髪屋に剃刀そよぎ秋立ちぬ/高橋睦郎
晝寝ざめ剃刀研ぎの通りけり/西島麥南
立秋や遺品剃刀てのひらに/殿村莵絲子
剃刀負けして元旦の顔となる/辻美奈子
春窮のあまり剃刀研ぎにけり/石川桂郎
海の日の電気剃刀鳴りだせり/好井由江
雪おろす剃刀のやうな海を置き/飴山實
髭のびて剃刀さびぬ秋のくれ/正岡子規
カミソリを水平に置く挫折感/岸本マチ子
冬をひかり鏡/剃刀慶子の家に/寺田京子
剃刀にほふをんないつしか曖昧に/金井明
剃刀のつめたく春を惜しむなり/辻美奈子
剃刀の刃が落ちて浮く冬の水/田川飛旅子
剃刀をさつとあてられ今日の月/川崎展宏
昼寝ざめ剃刀研ぎのとほりけり/西島麥南
癒えたさの剃刀あつる寒の眉/稲垣きくの
白さざんか剃刀は一枚で足りる/塩野谷仁
俳句例:41句目～
剃刀を振りふり青葉が小学校ヘ/西川徹郎
雪もよひ剃刀役のナース来る/鳥居美智子
頬すべる剃刀かろき余寒かな/岡崎えん女
黒い峠ありわが花嫁は剃刀咥え/西川徹郎
夜光虫見し宵の剃刀をあててをり/石原八束
秋の夜は剃刀の刃がくすりと嗤ふ/三橋鷹女
秋風の露店の剃刀の味を見てゐる/大橋裸木
剃刀とぐを聞く如月の椅子に寝て/萩原みさ子
剃刀貸してくれておたがい年とつた/和田光利
剃刀磨げば火取虫の髭が付て居て朝/北原白秋
カミソリを当つ霍乱の果の頬/古田紀一「紫屋」
めん鶏ら砂あび居たれひつそりと剃刀研人は過ぎ行きにけり/斎藤茂吉
