季語/真菰(まこも)を使った俳句

「真菰」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「真菰」について

【表記】真菰

【読み方】まこも

【ローマ字読み】makomo

子季語・関連季語・傍題・類語など

季節による分類

・「ま」で始まる夏の季語

・「夏の植物」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

真菰を含む俳句例

水深く利鎌鳴らす真菰刈/蕪村

花真菰第三楽章は眠い/相原澄江

川下に難波もあるか真菰売/光甫

先づ匂ふ真菰むしろや艸の市/白雄

魂棚や真菰が上の灯し盞/尾崎迷堂

雲のせて大真菰屑流れ来る/上野泰

真菰刈る右に左に雨の粒/清原枴童

真菰中杭並びたる船着場/高浜虚子

里人はわすれ草とも花かつみ/蓼太

家裏を舟が通ひて花真菰/木村みよ

朝真菰夕真菰刈り沼暮し/石井双刀

まづ匂ふ真菰むしろや艸の市/白雄

舟容れて青き真菰の水昏む/桂信子

鯵刺や一陣の風真菰より/太田寛郎

真菰中鹿島詣の舟ひろふ/皆吉爽雨

雨を重ねて清流となり真菰刈/中拓夫

足少し不揃ひなりし真菰馬/安斉君子

象潟や紅絹着せ真菰馬流す/岡井省二

古利根は楸邨の川真菰刈る/森田君子

真菰野の暮色が隔つ字二つ/山口草堂

俳句例:21句目~

ひと昔まへも潮とぶ青真菰/山本洋子

真菰群る細き水路は棹を差し/林恒子

真菰刈る鎌の切先水に消ゆ/中村將晴

物いへば女なりけり真菰刈/正岡子規

真菰咲く川の向かふは大都会/堀恭子

少年の匂い真菰の花を抜け/渡部愛子

物音の絶えて雨来る花真菰/白石みや

真菰より低き舷すすめけり/後藤夜半

さは~と真菰動くや鎌の音/高浜虚子

真菰川そよぎ息めて朝曇り/松村蒼石

水路にもある道しるべ真菰中/比奈夫

季節とは柱に掛けし真菰笠/後藤夜半

舟に乗る人や真菰に隠れ去る/高濱虚子

舟先に真菰へなへな伏し沈む/後藤夜半

沼溢れ田道をかくす花かつみ/石井桐陰

花かつみ川蝉ふれて動きけり/青木月斗

船頭の唄の吹かるゝ真菰風/平山/愛子

花真菰似合うジヤケツト薄紫/島川允子

花真菰眉あげて見ることもなし/岸田稚

かりよせて錆江にもどる真菰かな/青蘿

俳句例:41句目~

この真菰神の蓆を編むとかや/室賀杜桂

花真菰艇庫三高の徽章錆び/米沢吾亦紅

茶の下に真菰はくべてむき粽/広瀬惟然

蜻蛉に唯ざわめける真菰かな/島田青峰

さはさはと真菰動くや鎌の音/高浜虚子

蜻蛉の脱け殼の抱く真菰かな/高濱年尾

刈つて行く真菰の上を鼠かな/高梨花人

行燈も手摺もしづむ真菰かな/吉本久男

遠き人の声の近くて真菰刈/柳原控七郎

とらんとす鷭の卵に真菰かげ/松藤夏山

ひらひらと真菰悲しき出水中/高野素十

雨兆す真菰のゆらぎ川面うつ/加藤春子

青真菰刈りし長さの流れくる/金森柑子

まじりゐて真菰の丈の蓮の花/高濱年尾

鬣に露をむすびぬ真菰馬/長谷川かな女

鬼灯の朱いそぐなり真菰編み/石田波郷

五月雨や真菰かくれの附木舟/尾崎紅葉

信仰という躓きに在る真菰/阿部恵美子

傾ける真菰の馬に触るゝまじ/長田芳子

刈真菰水に浮かせて括りをり/神田夢城

俳句例:61句目~

女漕ぐ沈まんばかり真菰積み/福田蓼汀

朝漁の真菰そよがせ戻りけり/荒井正隆

柳川は水匂ふ町真菰咲く/久木原みよこ

校長を呼ぶ声がする真菰かな/門屋和子

漁りや真菰の露を分けて行く/島田青峰

由布仰ぐ真菰の中の湯に浸り/向野楠葉

真菰かげ通るとき舟明るさよ/高野素十

干真菰乾ききりたる音をたて/清崎敏郎

真菰より鷺しわ~とたちにけり/十七星

真菰刈りて水濁しある沼暑し/倉田萩郎

真菰暮れ水の匂ひの空のこる/河野南畦

真菰編むとき猿も狐も傍輩ぞ/鈴木栄子

真菰舟ながれて消えし葦の中/中山純子

真菰舟容れむとひらく閘よ/軽部烏頭子

真菰間を人が飛びゆく現世や/大屋達治

真菰馬青藻まとひて流れけり/滝口五東

老鶯や真間の入江の真菰刈/岡本癖三酔

職なくて真菰隠りに鯊釣るも/細川加賀

宇治山にかゝれる虹や真菰刈る/岸風三楼

水べりは独りの居場所花かつみ/手塚美佐

俳句例:81句目~

花かつみ気散じの歩を水辺まで/手塚美佐

大いなる真菰の月の出でにけり/小倉雨灯

いくたびか声なき真菰舟にあふ/岡井省二

こまごまと包むものあり青真菰/中嶋秀子

舟の波真菰を越えて田にはしる/加藤楸邨

鷭の子は風の真菰にうたれつつ/松村蒼石

病む鴨の真菰がくれに陽炎へる/鈴木貞雄

しんがりを真菰の馬の流れをり/赤尾恵以

真菰笠潮来と書けば匂ひけり/後藤比奈夫

真菰干す閾にかけてバスを待つ/清崎敏郎

ふんばれる真菰の馬の肢よわし/山口青邨

みづうみに雨後の日の差す花真菰/福島勲

芦の風硬し真菰にやはらかし/佐々/波二

真菰馬真菰のしとねしきにけり/鵜澤旋風

漕ぎ入れてみれば真菰の花咲ける/森田峠

箕にあふれ真菰の馬の匂ふなり/安田晃子

結びある真菰のありて舟路かな/加藤霞村

船中に真菰の花をかざしけり/池内たけし

編みあげて真菰はみどり失はず/村田三夏

潮の香やたてがみ揃ふ真菰馬/小野恵美子