季語/虫売(むしうり)を使った俳句

「虫売」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「虫売」について

【表記】虫売

【読み方】むしうり

【ローマ字読み】mushiuri

子季語・関連季語・傍題・類語など

・虫屋(むしや:mushiya)

季節による分類

・「む」で始まる秋の季語

・「秋の生活」を表す季語

・「三秋」に分類される季語

月ごとの分類

8月の季語

9月の季語

10月の季語

虫売を含む俳句例

宵過や虫売通る町外れ/桃隣

虫売の燭傾けて壺覗く/平川花月

虫売や火の用心の莨入/寺田寅彦

浮世絵の女蟲売軽げの荷/後藤夜半

浮世絵の女虫売軽げの荷/後藤夜半

虫売のうづくまるとき虫の類/耕二

虫売の瀬田の唐橋渡りけり/齊藤夏風

轡虫売らるる馬は沓履いて/米田一穂

地下街に川の流れて虫売らる/杉本寛

虫売の先斗町へと曲りけり/小林青壷

虫売の虫のかず~申しけり/村上鬼城

虫売の裸電球ゆるめ消す/染谷佳之子

虫売の虫の身の上話かな/柳田静爾楼

虫売の老や聖書を傍らに/大場美夜子

虫売の灯を坂下に夜雨くる/伊藤京子

虫売や軽く担うて小刻みに/日野草城

虫売と夜の言葉を交しけり/高木丁二

虫売の来て賑かな門辺かな/日野草城

虫売も舟に乗りけり隅田川/内藤鳴雪

虫売に漸く更くる博多かな/清原枴童

俳句例:21句目~

虫売の黒子控へに籠のかげ/荒井正隆

その中に虫売夜を待てりけり/石田波郷

宵山の裾の暗しや虫売りに/小島千架子

手相見の隣りいつもの虫売屋/高橋春灯

月の出の虫売つねに憂かりけり/斎藤玄

虫売に叱られてゐる子供かな/藺草慶子

籠担ひ来るを虫売かとおもふ/友岡子郷

虫売がだぶだぶの服にて眠る/大石雄鬼

虫売が来てゐる風の匂ひかな/伊藤京子

虫売と話ぽつぽつ似顔画師/成瀬正とし

虫売のゐて退けどきの跨線橋/茂里正治

虫売の屋台に赫つと西日かな/草間時彦

虫売の暗きところに宵宮かな/石川桂郎

虫売の暗く灯して来たりけり/坂本鬼灯

虫売の灯ともしてより闇匂ふ/小林康治

虫売の帰る頃より鳴き始め/岡井/美津

虫売の脛長くしてむつつりと/岸本尚毅

虫売の荷を下ろすとき喧しき/高濱虚子

虫売や宵寝のあとの雨あがり/富田木歩

虫売りが殿りに乗り渡舟出る/西村公鳳

俳句例:41句目~

虫売りと胡人の町に出会ひけり/日原傳

虫売りのふいに大きな影法師/中村和弘

虫売りの拡げて屋台大いなり/青柳蛍子

虫売りの立てば大きな男かな/真砂卓三

邯鄲のほの~啼いて虫屋かな/中島月笠

墓守の子は蟲売りに市へ行く/寺田寅彦

蟲売の灯ともしてより闇匂ふ/小林康治

蟲売や宵寝のあとの雨あがり/富田木歩

松かげにゐる虫売や日の盛り/五十嵐播水

虫売が路地這入るいつぱいの声/原田種茅

虫売が街路樹に吊る灯はうれし/加藤楸邨

虫売の帰り支度を見てをりぬ/今井杏太郎

虫売の行燈の灯の消えしまま/成瀬正とし

虫売の布をかぶせてある荷かな/西村和子

虫売の話よかりし世のことを/成瀬正とし

虫売りの虫より青き籠を積み/塩原佐和子

虫売りの這ひ出る亀を戻しをり/下間ノリ

虫売りやひろしまの川水満ちて/佐川広治

虫売の鳴かずの虫も飼ふならむ/行方克巳

銀行のくろがねの扉に虫売れり/宮武寒々

俳句例:61句目~

虫売の鼻とがりつゝ灯にさらす/杉山岳陽

虫売は夜の声の中にかがみゐる/原田種茅

買はぬ子の問に答へて虫売屋/大塚とめ子

虫売の荷のきりぎりすまづ鳴けり/大石悦子

虫売の老いたる顔をうつむけて/成瀬正とし

虫売を素見してゐるおちよぼかな/後藤夜半

古都小径かぶと虫売子を寄せて/赤松ケイ子

虫売のときどき夜を見まはせり/今井杏太郎

さみしくて虫売は虫さわがすや/成瀬櫻桃子

蟲売のがちや~ばかり鳴きにけり/皆吉爽雨

蟲売のただゐる時を見たるのみ/八木林之介