季語/施餓鬼(せがき)を使った俳句

「施餓鬼」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「施餓鬼」について

【表記】施餓鬼

【読み方】せがき

【ローマ字読み】segaki

子季語・関連季語・傍題・類語など

・施餓鬼会(せがきえ:segakie)

・施餓鬼寺(せがきでら:segakidera)

・施餓鬼幡(せがきばた:segakibata)

・施餓鬼棚(せがきだな:segakidana)

・施餓鬼檀(せがきだん:segakidan)

・川施餓鬼(かわせがき:kawasegaki)

・海施餓鬼(うみでがき:umidegaki)

・施餓鬼舟(せがきぶね:segakibune)

・水陸会(すいりくえ:suirikue)

季節による分類

・「せ」で始まる秋の季語

・「秋の行事」を表す季語

・「初秋」に分類される季語

月ごとの分類

8月の季語

施餓鬼を含む俳句例

舟施餓鬼の姿を真上より/上村占

白雲に碧き空洞川施餓鬼/向井秀

祭壇の川に突出す川施餓鬼/市川昭

深川に百人の僧川施餓鬼/斉藤夏風

海施餓鬼音声舟の形なす/三好潤子

海上の大夕焼や施餓鬼船/村上鬼城

昼月を淡く掲げて施餓鬼寺/沢ゆう

白昼の磧に風の施餓鬼幡/大橋一郎

雲中を雲ゆく音や施餓鬼寺/岸田稚

蜩や山の施餓鬼の日盛に/北原白秋

蜩の森を負ひ居て川施餓鬼/松沢鍬江

竹林の深き處に施餓鬼かな/松瀬青々

お施餓鬼に五山の僧の皆集ふ/星野椿

山風に燭の危ふき施餓鬼棚/山田弘子

施餓鬼上座網元舸子ならび/矢野潮花

川施餓鬼女多きを淋しめり/萩原麦草

濛々とけむる華僑の盆施餓鬼/森田峠

頑として女舳先に施餓鬼船/右城暮石

施餓鬼棚組む島人の高梯子/渡辺幸恵

声明の僧の衣擦れ施餓鬼寺/船橋とし

俳句例:21句目~

夕焼を巻込む渦や船施餓鬼/矢野聖峰

走り根に躓き詣る施餓鬼寺/山田弘子

霧隠る一輪の日や沼施餓鬼/橋本多佳子

風つどふ母の白地や川施餓鬼/細川加賀

島人のまばらに坐り施餓鬼堂/清崎敏郎

飯食に蠅のあそべる施餓鬼棚/田中王城

鳥けものまはりに遊び川施餓鬼/桂信子

川施餓鬼みな百姓の手足して/細川加賀

川施餓鬼ゴロンとひとつ石流れ/杉本寛

川施餓鬼四十九院の旆なびき/福田蓼汀

川施餓鬼提灯水に落ちて燃ゆ/宮下翠舟

施餓鬼会の雨や盥に愉快にも/依光陽子

施餓鬼会や机の端の布施一封/西山泊雲

施餓鬼塔たてて水揚秋の蟹/百合山羽公

施餓鬼寺一年の老持ちよれり/毛塚静枝

水底の亡者やさわぐ施餓鬼舟/正岡子規

月出でしよりの数刻施餓鬼棚/田中裕明

棹さすも僧も片目や施餓鬼舟/河野静雲

水なぶる童の手あり施餓鬼舟/山口誓子

ひとところ暗き畳の施餓鬼寺/落合敏子

俳句例:41句目~

水門を風に開けたり川施餓鬼/斎藤夏風

また一羽雀の戻る施餓鬼棚/佐々木六戈

一人子は榧の木の下施餓鬼寺/田中裕明

湖の風吹いてくる施餓鬼寺/白崎きよし

一枚は膝に施餓鬼の散華落つ/山田知沙

牛小屋と壁一重なり施餓鬼棚/加藤康人

百千の経木きらめく海施餓鬼/三好潤子

袈裟衣とほせる汗や施餓鬼僧/河野静雲

人群れて川施餓鬼舟そを空に/石川桂郎

穢土の川葭青々と施餓鬼かな/山口誓子

背のびして太柱拭く施餓鬼寺/鈴土郁子

船に見て過ぐる佃の川施餓鬼/竹内実峯

船頭我れ施餓鬼の舸子を仕る/猪子水仙

茣蓙の上に婆を満載川施餓鬼/高澤良一

卒塔婆の白きが増えぬ施餓鬼寺/坂井建

落日に群衆が透く川施餓鬼/橋本多佳子

古びたる午下の日輪川施餓鬼/山口誓子

葛の葉に雨降る音の施餓鬼寺/若月瑞峰

鳴き砂のこゑを蹠に海施餓鬼/岡地蝶児

襖絵は白波立てて施餓鬼かな/岸本尚毅

俳句例:61句目~

跨がりて一気に大書施餓鬼幡/遠藤止観

道芝や芋の葉に載せ施餓鬼飯/野村泊月

里人の土手に居並び川施餓鬼/清水保生

雷打ちし一幹のあり施餓鬼寺/矢野芳湖

仁王に臍ありて施餓鬼の大張紙/北野民夫

あらはなる港の墓域浦施餓鬼/佐野まもる

うば百合の旺んなる時盆施餓鬼/中山純子

章を干す天の妖しさ浦施餓鬼/佐野まもる

お施餓鬼のほとりに何の狂ひ花/田中裕明

お施餓鬼の白き花うく夕べかな/田中裕明

お施餓鬼の石段に咲く小草かな/山西雅子

施餓鬼はやその飲食の乾きつつ/角田拾翠

日本海荒れしが施餓鬼舟を出す/渡邉和子

施餓鬼棚河原は風の吹きとほり/細川加賀

施餓鬼棚組めば川風立ちにけり/岡田修哉

竹林にひびきて施餓鬼太鼓かな/阪本謙二

ちびし筆湯呑に立てし施餓鬼寺/川瀬清子

草の名に鳥やけものや川施餓鬼/青木重行

はつ秋の雨はじく朴に施餓鬼棚/飯田蛇笏

施餓鬼して僧都のもらす口遊み/筑紫磐井

俳句例:81句目~

ひしひしと毬栗をしぬ施餓鬼棚/前田普羅

新藷のあかさを添へて施餓鬼棚/中嶋秀子

蟷螂の草につまづく施餓鬼かな/岸本尚毅

行くものはかくのごとしや水施餓鬼/一鳥

万霊の犇めくしじま施餓鬼棚/関口ふさの

二挺艪で戻ってきたる施餓鬼舟/中川禮子

施餓鬼火のどつと吐きたる白煙/広瀬一朗

水に火を施すことを川施餓鬼/上田五千石

倶利迦羅の谷へ施餓鬼の米撒けり/泊康夫

折りとけて折鶴の浮く施餓鬼川/鷹羽狩行

僧乗せてめぐる岬や施餓鬼船/田中ゆり子

川施餓鬼瀬の声橋の真下なる/中村草田男

施餓鬼舟中流に出て浮きにけり/萩原麦草

金星のひかりひとすぢ施餓鬼僧/村沢夏風

雛僧の下駄並べゐる施餓鬼かな/星野立子

大寺の施餓鬼過ぎたる芭蕉かな/子規句集

布施うけの大ボール箱施餓鬼寺/西山泊雲

大粒の雨の降り来し施餓鬼かな/加藤覚範

寺世話や雨の施餓鬼会膝抱きて/西山泊雲

沼波の青沁むべしや施餓鬼幡/橋本多佳子

秋の季語
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