俳句例:101句目～
七五三神の子にして吾が産みし/楠節子
拝殿へ足袋穢れなく七五三/佐藤美恵子
ぽつくりに硬き舗道や七五三/西岡正保
田の上は空のほかなし七五三/小川軽舟
もう一つ父の掌が欲し七五三/阿部寒林
もどかしく磴を登るも七五三/高澤良一
神父より霊名祝がれ七五三/水田むつみ
別姓の父に抱かれし七五三/西澤寿林子
ワッ～と自動車に乗り七五三/京極杞陽
一の宮の大日だまりや七五三/山崎房子
一日中褒められどほし七五三/柿沢弥生
七五三/袴も飴もひきずりて/仲川巌山
七五三あっさり組と凝り組と/高澤良一
大鳥居二の鳥居いざ七五三/浅野毘呂史
奉納の手型の絵馬や七五三/佐野たけ子
七五三にも残り福ありさうな/山田弘子
七五三袴に靴の男の子振り/戸村美智子
三世代みんなめかして七五三/高澤良一
石地蔵の袖の長さよ七五三/中村草田男
母の着し晴着子が着て七五三/板橋喜美
俳句例:121句目～
父似の娘母似の息子七五三/後藤比奈夫
七五三の飴も袂もひきずりぬ/原田種茅
弾む日へも父目を細め七五三/香西照雄
七五三叔母の最も化粧ひたり/大橋敦子
病む顔へ影もかぶせて七五三/香西照雄
江の島に太鼓とどろく七五三/阿部悦子
七五三妻も大人となりにけり/景山筍吉
略服に済ますもよけれ七五三/高澤良一
両の手で鳴らす鰐口七五三/谷屋恵美子
山垣二重に一重は優し七五三/池上樵人
繰上げて海晴るる日の七五三/高澤良一
花鳥の名を声にあぐ七五三/上田日差子
若かりし昭和も老いぬ七五三/相馬遷子
七五三産めざる吾の眼には毒/品川鈴子
菊坂の路地の奥より七五三/塩谷はつ枝
七五三浅間がくしの畦づたひ/根本花子
蜑の子も砂湯の客や七五三/穐好樹菟男
七五三気ばってあげるお賽銭/高澤良一
踏切の鳴りてうつつや七五三/宮坂静生
道順のはじめうれしき七五三/白岩三郎
俳句例:141句目～
野の宮は街のまん中七五三/吉田ひで女
鎮もりて小さき神社や七五三/林やすお
七五三日向日蔭に鳩をまじへ/永井龍男
帯解けば笑顔がもどる/七五三/片岡寿子
七五三遠目にパンを買ひにけり/谷口桂子
鹿革のチヨッキ着し祖父七五三/茨木和生
七五三道を濡らさぬほどの雨/雨宮きぬよ
珠のごとき日の寵を受く七五三/伊東宏晃
七五三諏訪さまの坂こぼれくる/宮津昭彦
目の見えぬ母の手をとり七五三/木村文之
七五三見来たりこれの嫁見たり/石塚友二
着くづれしままに終りぬ七五三/増田恒子
急く仔犬四肢もにぎやか七五三/香西照雄
磯海女の子らも紅引き七五三/中村千恵子
振り切りし手へすぐ戻り七五三/小森広司
振袖にかくすみそつぱ七五三/小林千江子
筥狭子のなかをいぶかる七五三/中原道夫
七五三の子に逢ふ皇子の誕生寺/渡辺恭子
胸せまくはこせこはさみ七五三/高浜虚子
おはらひを上目づかひに七五三/高橋博夫
俳句例:161句目～
お端折に罷りきたりぬ七五三/八木林之介
七五三着付見守る父母祖父母/山田万津恵
こんな日にもう戻れない七五三/黒川悦子
割りかけの薪に日あたる七五三/黒田卓示
七五三の子も大漁の舟に来ぬ/中戸川朝人
七五三の晴着の値段湯屋で聞く/館岡沙緻
七五三の母子に名古屋城晴れて/村山古郷
七五三晴着を解きて風の子に/佐野志摩人
七五三夜の杜となり果てにけり/石塚友二
何処からも飛騨の山見ゆ七五三/河野閑子
母と子とまれに父と子七五三/大橋櫻坡子
母のもの伯母のもの附け七五三/高木晴子
子がなくて夕空澄めり七五三/星野麦丘人
離れ住む父母にビデオ七五三/浅見咲香衣
二つ三つ藪にかけるやあまり七五三/一茶
母系の声七五三に美しく澄む/池内友次郎
日輪は父母の背に在り七五三/鍵和田ゆう子
日の差しておべべぽかぽか七五三/高澤良一
愚かなる「無」の扁額や七五三/中村草田男
むさし野は見あぐる槻や七五三/水原秋櫻子
俳句例:181句目～
七五三つづきゆかせて稲架の照る/亀井糸游
七五三しつかりバスにつかまつて/綾部仁喜
キャラメルの包み四角や七五三/田中あかね
著ぬと言ひ著たら脱がぬと七五三/町川静汀
よく似合ふママのおさがり七五三/中嶋一枝
うれしくてこつぽり逃げる七五三/山田弘子
ぽつくりが大きめかしら七五三/土田由貴子
子に合はす父母の歩幅や七五三/山崎ひさを
着飾った子の拗ねあるき七五三/安井美智子
攫はれるほどの子ならず七五三/亀田虎童子
七五三去年済みし子も晴着きて/宍戸富美子
とびそうな鶴のリボンや七五三/山口都茂女
つまづいて髪に手をおく七五三/佐藤美恵子
うれしくてすぐに眠くて七五三/今井千鶴子
七五三の子を檜葉垣がすぐ隠す/加倉井秋を
行きずりのよそのよき子の七五三/富安風生
七五三吾がとりあげし子のをりぬ/沖津をさむ
ぽっくりのしゃんしゃん歩き七五三/高澤良一
七五三日も経てゆくは病みゐしや/塩谷はつ枝
七五三子よりも母の美しく/瀧井孝作せん/吉屋信子
