季語/滝(たき)を使った俳句

「滝」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「滝」について

【表記】滝

【読み方】たき

【ローマ字読み】taki

子季語・関連季語・傍題・類語など

・滝見(たきみ:takimi)

・滝見茶屋(たきみぢゃや:takimijaya)

・滝壺(たきつぼ:takitsubo)

・滝しぶき(たきしぶき:takishibuki)

・滝の音(たきのおと:takinoto)

・滝道(たきみち:takimichi)

・夫婦滝(みょうとだき:myotodaki)

・男滝(おだき:odaki)

・女滝(めだき:medaki)

・夜滝(よだき:yodaki)

・滝涼し(たきすずし:takisuzushi)

・瀑布(ばくふ:bakufu)

・飛瀑(ひばく:hibaku)

・作り滝(つくりだき:tsukuridaki)

季節による分類

・「た」で始まる夏の季語

・「夏の地理」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

滝を含む俳句例

舂や穂麥が中の水車/蕪村

軒下の拵へ滝や心太/一茶

滝殿の柱々や並び居る/篠原

瀧枕夢に舵や抱き茗荷/林桂

炎日に人肌粘し光る滝/原裕

清瀧や夕月かけて小鮎飛/弄我

滝殿やさし来る月の薄烟/嘯山

滝仰ぎ命涼しき袖袂/小林康治

滝壷に梅干の種千沈む/飴山實

清瀧や波に散込む青松葉/芭蕉

一山の力を滝の姿とし/蔦三郎

金輪際此合掌を滝打てり/茅舎

石段に瀧なす雨や時鳥/原月舟

滝壺や波遡る水馬/五十嵐播水

奥や滝雲に涼しき谷の声/其角

八十の齢よろめく滝の前/風生

滝走り来て胸許に青む淵/原裕

滝の上鷹が定める国境/有馬朗人

隠元を膝に娘や滝の前/川端茅舎

望むべし神の滝縦一文字/岸田稚

俳句例:21句目~

滝壺に梅干の種子千沈む/飴山實

杉山に父かと思ふ瀧こだま/原裕

滝水の中やながるる蝉の声/惟然

刻々に何失ふや滝の前/佐野美智

瀧風に煽られし髪梳る/仙田洋子

鐵斎の老い黒き瀧赤き瀧/竹中宏

滝の末渉りたる籬かな/下村槐太

金剛の滝ならび落つ雲の間/青畝

滝殿や玉の響の珊々と/島田五空

時鳥夜滝を見る山の道/子規句集

海に滝落ちて夥しき鴎/石田郷子

滝壺は一瞬の静欲しからむ/林翔

石階の滝のごとしや百千鳥/風生

石穿つ力を秘めし滝の音/きよみ

巌万古御滝万古神杉に/河野静雲

瀧の水汲み夕暮の鍬始/田中裕明

懐手して上段に瀧の音/古舘曹人

暫時は滝に籠るや夏の初め/芭蕉

滝の音万朶の花の奥深く/峰山清

五六丈滝冴え返る月夜かな/蓼太

俳句例:41句目~

夏山の胸襟ひらく滝一つ/轡田進

短か夜や芦間滝るる蟹の泡/蕪村

白藤や小瀧の橋の朱欄干/泉鏡花

滝水で百人前の鯉洗ふ/中川飛梅

白滝や六月寒き水煙り/松岡青蘿

鳴る滝に余りし旅の一時間/原裕

水玉は華厳の螺髪瀧頭/高澤良一

街空に滝音を聴く流民か/徳弘純

蛇穴を出て洞然と滝の音/辻桃子

甦る滝の谺や梅散れり/小林康治

蕗を煮る厨の窓に瀧頭/斉藤夏風

最上川その源の糸の瀧/品川鈴子

放心の一瞬滝の真正面/西村信男

昆虫の螢光すでに滝の道/後藤夜半

閉さでおく坊の雨戸や滝朧/峰山清

滝の上に出て滝見えず青嵐/たかし

千日や千筋に見やる瀧の糸/其/成

明方の滝のよき音血止草/飯田龍太

滝壷に生れ死すまで水馬/鷹羽狩行

滝壺を見て短日の底にゐる/岡本眸

俳句例:61句目~

釜形の滝の音色の扇面に/高澤良一

遠のけば滝音さむき竹林/平井照敏

逆光の嶺一条の滝吊るす/河合凱夫

軽薄に慎重に滝流れ出す/津田清子

滝道へ集む満身創痍の材/右城暮石

暁の星滝壺深く入りしかな/佃藤尾

滝の大音響吾を孤立さす/津田清子

堂裏に小滝二すぢ初不動/吉川草莱

しばらくは瀧に籠るや夏の始/芭蕉

滝道の一本道を引き返す/右城暮石

身の力抜き滝の前去りぬ/菖蒲あや

躓きて心昂ぶる滝の前/八木三日女

読唇の瞳を注がるる滝の前/白鳥峻

すつ~と滝の影さす猫柳/鈴木花蓑

裂帛の叫びは女人滝行者/西岡正保

虹鱒を釣る腹背に滝の音/宮下翠舟

著莪の雨杣の石垣瀧なして/金子潮

萬緑の底に滝あり轟けり/宇田零雨

滝の末徒渉りたる籬かな/下村槐太

草匂ふ瀧は巌に触れずして/中田剛

俳句例:81句目~

滝殿や窟の神も鎮りぬ/河東碧梧桐

花臭木滝真向に真白なり/石田波郷

滝壷を離れし水の行方かな/鎌田亮

糸滝の緑釉の壺大いなる/伊藤敬子

石狩の源の滝きはめばや/野村泊月

ひとつでも皿の揃はぬ小滝鯛/嵐竹

滝になる水湛へたり山粧ふ/菅裸馬

滝なすや四万六千日の雨/有馬朗人

白糸の瀧壺までが白糸で/小野元夫

白妙の滝呑み暗き淵となる/稲岡長

白光の天上天下那智の滝/成田千空

滝壺といふ空の底水の底/吉年虹二

滝川のひびき目に沁む紅卯木/蒼石

滝水の下に滝水割込めり/高澤良一

山人は斧浸しゆく滝水に/萩原麦草

滝神や悪城の壁従者とし/河野南畦

梅雨山中白茫々の狂ひ滝/岡田日郎

岩襞を逸れ水走り風の滝/鈴木花蓑

瀧水の己戦きとどろけり/青木重行

一の滝かくれ二の滝見え来る/莫生

夏の季語
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