季語/釣忍(つりしのぶ)を使った俳句

「釣忍」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「釣忍」について

【表記】釣忍

【読み方】つりしのぶ

【ローマ字読み】tsurishinobu

子季語・関連季語・傍題・類語など

・釣荵(つりしのぶ:tsurishinobu_)

・吊荵(つりしのぶ:tsurishinobu__)

・軒しのぶ(のきしのぶ:nokishinobu)

季節による分類

・「つ」で始まる夏の季語

・「夏の生活」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

釣忍を含む俳句例

大阪の芸人長屋吊忍/斎藤朗笛

自ら其頃となる釣忍/高浜虚子

釣忍いまは妹夫婦住む/森田峠

夫の額熱し闇夜の釣忍/横山房子

竹匠の星に向く顔釣忍/斎藤夏風

燈台の他は暗き灯釣忍/倉田俊三

中心に父の高さの釣忍/櫂未知子

亀型へ舟型吹かる釣忍/高澤良一

夜の風の忘れ雫や釣忍/鈴木花蓑

書道塾夕日の軒の釣忍/三原清暁

自から其頃となる釣忍/高浜虚子

貝の口結びの帯や釣忍/石原八束

釣忍むかし産着の麻模様/辻直美

折れ曲り来る風筋や釣忍/井上井月

吊忍雨のきそうな夕ごころ/飯山修

父も母も家にて死にき吊忍/岡本眸

市なかに深山はあり吊忍/長谷川櫂

消しかねる妣の表札釣忍/金子拓郎

夕闇の迷ひ来にけり吊忍/高浜虚子

核家族ばかりの住居釣忍/佐藤信子

俳句例:21句目~

吊忍ほのかな酔が選ぶ宵/都筑智子

吊忍三つ軒端に貧しけれ/田村了咲

蚊絣の紺のにほへる釣忍/石川桂郎

釣忍星の流るるとき青し/田村了咲

釣忍水のごとくに夫婦愛/山川敏子

吊忍病弱なげくすべなしや/村山古郷

在さねど声をかけもし釣忍/高木晴子

大雨の底なる八瀬の釣忍/波多野爽波

廻るだけ廻りてもどる釣忍/下村梅子

吊忍いつまで親の臑かじり/宮坂静生

水をやる手許だけ見え吊忍/千田百里

浅草や落ちて来さうな釣忍/岩田由美

恋しくて訪ねて来たる吊忍/岩田由美

父逝きしあとのことなり釣忍/森田峠

いつしかに夫婦二人や吊忍/長谷川櫂

くらがりに風流れゐる吊忍/根岸善雄

草韻のにはかなる日の釣忍/手塚美佐

蚊帳吊るや雨の軒なる釣忍/島田青峰

ぐい呑の底が明るし吊忍/梅村すみを

とばかりに雫やみけり釣忍/尾崎紅葉

俳句例:41句目~

起重機の見えて暮しぬ釣忍/中村汀女

人知れず暮るゝ軒端や釣忍/日野草城

仰ぎゐるわれも暮れゐる釣忍/森澄雄

釣忍友のまれなる夕まぐれ/二村典子

吊忍女はファジー眠き午後/金崎久子

釣忍母在る限り足袋干され/鈴木栄子

吊忍畳つめたくあゆみけり/木村ふく

吊忍あさくさの風連れ戻る/笹本落葉子

路地どこもおなじ風吹く釣忍/木原すず

干物をはばかりあひて吊忍/中村草田男

ひともせば灯影よりそふ吊忍/菖蒲あや

釣忍二度の勤めをはげむかな/近藤一鴻

月の面にこまごまと葉や釣忍/富安風生

すぐ前に塀がふさがる釣忍/松本たかし

話すことなくとも愉し釣忍/鈴木真砂女

追伸がほんとの便り軒しのぶ/石川文子

こぬ人を待つに堪へけり吊忍/高橋淡路女

ややこしきは棚上げにして吊忍/高澤良一

釣忍紅葉ずる今日の胃の在り処/池田澄子

軒しのぶ杣が一戸に伊勢市果つ/桂樟蹊子