俳句例:101句目～
風が消す渦潮卯浪沸くごとし/稲垣きくの
耳朶に日のあかあかと卯波かな/岸本尚毅
卯月波父の老いざま見ておくぞ/藤田湘子
濁り川突きささりゐる卯月浪/中戸川朝人
独り言卯波に揉まれゐるやうな/柴田奈美
扇骨の卯波のごとく干されあり/三橋迪子
あるときは船より高き卯浪かな/鈴木真砂女
あはあはと火を焚くことよ卯浪海女/飴山実
あるときは船より高き卯波かな/鈴木真砂女
卯浪濃し風にかんばせあててゐて/皆川盤水
サーファーの身の弓なりに大卯波/田中雅子
卯波うつくし透明の電話ボックス/対馬康子
卯浪立ち黄昏迫る蛾眉の三保/長谷川かな女
卯波濃したまたま白帆知己に似て/石原舟月
卯浪立つハーン旧居のかくも古り/長谷川双
島の葬列すぐに卯浪につきあたる/有馬朗人
戻りにも卯浪の浜へ廻りけり/関谷/又三郎
束の間の佐渡や明けゆく卯浪の上/高澤良一
海女一人に桶一つ浮く卯浪かな/鈴木真砂女
生き過ぎて卯波の白をまぶしめり/沢木欣一
俳句例:121句目～
うつろ巌こだましあへる卯浪かな/橋本鶏二
珊瑚敷きあをぞらよりも濃き卯波/佐川広治
安寿汲みし卯浪に足を濡らしけり/田中英子
卯浪駈く果てまぶしめり佐渡航路/高澤良一
寄せて来る卯浪に神の錠ひそか/大峯あきら
妻と来て卯浪がはこぶ藻を拾ふ/佐野まもる
卯浪立つ少年たちのポケットより/対馬康子
卯浪濃したまたま白帆知己に似て/石原舟月
卯波立つバス江ノ電に追ひ越され/小竹梅堂子
目を据ふる卯浪の果てに佐渡が見え/高澤良一
餉にもどる巫女に卯浪のはるかかな/飯田龍太
卯浪憂し明日のさきまでもう見ゆる/仙田洋子
子の岩の没りて出でこぬ卯浪かな/上田五千石
卯波という大きな猫をさわりにゆく/永末恵子
壱岐は早や烏賊火ほつほつ卯浪たつ/小原菁々子
