「夜濯」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「夜濯」について
【表記】夜濯
【読み方】よすすぎ
【ローマ字読み】yosusugi
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「よ」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
夜濯を含む俳句例
夜濯の音荒々しすぐ静か/上野泰
夜濯ぎの心やすさよ飛ぶ蛍/水巴
第二楽章夜濯の時間かな/折井紀衣
夜濯や避暑の第一日終る/西村和子
夜濯や逆光の母漂へり/藤村多加夫
夜濯ぎの白泡家を流れ出づ/右城暮石
夜濯や病癒えきし母のもの/浅見さよ
夜濯ぎの裸形吾が家の娘たち/瀧春一
夜濯や島に一つの門徒寺/大峯あきら
入院待つ日々夜濯ぎを怠らず/中野弘
南国の旅に夜濯欠かすなく/河野石嶺
夜濯ぎや育児休暇の父若き/鳥羽碧香
夜濯ぎをせる音水を流す音/右城暮石
夜濯のしぼりし水の美しく/中村汀女
夜濯の音いつまでも島の宿/本岡歌子
夜濯の婢女唄ふローレライ/吉屋信子
夜濯の蟹の門川あふれつつ/森川暁水
夜濯のあとを悲しき話出づ/下村槐太
夜濯の背に声かくる人は無し/樋笠文
夜濯や今日振り返ることもなく/堀恭子
俳句例:21句目~
夜濯や働らく母となりてより/下山宏子
追剥ぎのやうに夜濯もの集め/須川洋子
夜濯を干す音楽のある部屋に/能村研三
新入患者として夜濯の端にあり/岸田稚
旅の湯の陰夜濯にさも似たり/清水基吉
一つ井戸囲む夜濯ぎ島の海女/高田菲路
喪の妻や夜濯の歌おのづから/石田波郷
夜濯ぎになほ汚れたる蚕飼妻/萩原麦草
砂漠来て崑崙の水に夜濯ぎす/田中英子
舟の上の夜濯ぎ妻に鸚鵡啼く/石原八束
夜濯ぎのしぼりし水の美しく/中村汀女
舟住みの夜濯ぎ妻に鸚鵡啼く/石原八束
若者の夜濯ぎロック流しつつ/武田光子
夜濯ぎの女身触るゝは闇ばかり/藤紗月
話したきことあり母と夜濯に/田中三水
夜濯につきくる猫の目が二つ/村山一棹
夜濯に大きな舟のとほりけり/岩崎緑雲
夜濯に戎克のつくる波すこし/原田青児
夜濯に煩悩一つをさまりぬ/福屋千穂美
夜濯の音絶えて又はじまりぬ/高濱虚子
俳句例:41句目~
夜濯の手を休めつゝきゝ耳を/佐藤裸人
夜濯ぎの水を捨てたる音らしや/小林景峰
夜濯のひとりの音をたつるなり/清崎敏郎
白のみの夜濯ぎことば家に置く/寺田京子
夜濯ぎの白ばかりなる手くらがり/井上雪
明日ありと思ふ夜濯はじめけり/橋本榮治
デモの万灯消えし夜濯ぎ川深し/寺田京子
夜濯ぎにわけのわからぬ涙出て/八染藍子
夜濯にみどりの蟲のとびきたる/田中裕明
夜濯や生かされてゐる楽しさに/嶋田麻紀
夜濯をしてゐるうちに気が変り/神田敏子
夜濯ぎの水に涙ははばからず/文挟夫佐恵
夜濯の母へ星座は手をつなぎ/鈴木しげを
夜濯のざあざあ水をつかひけり/森川暁水
夜濯にしてはいさゝか嵩高に/中島よし絵
夜濯の音きこえくる旅寝かな/成瀬桜桃子
夜濯もひとり暮しの日課とて/鈴木すすむ
夜濯ぎのシャツに近寄る牧の馬/岩淵喜代子
夜濯やシャンソンも好きジャズも好き/篠原
夜濯ぎや富めるは知らぬ星の愛/磯貝碧蹄館
俳句例:61句目~
これよりの吾れに子育て夜濯す/高城美枝子
夜濯をなかなかやめぬ妻を呼ぶ/波多野爽波
夜濯をひとりたのしくはじめけり/森川暁水
夜濯の肘まで濡らしゐて訪はる/殿村菟絲子
夜濯のさみしき顔をさらしたり/鈴木真砂女
夜濯や軒のなかまで火山灰降りて/邊見京子
気がかりな空を気にして夜濯ぐ/鈴木真砂女
こんな夜の夜濯ぎ一茶も惟然もや/高澤良一
夜濯ぎの水をながしてをはりけり/加藤覚範
はや寝落つ夜濯の手のシャボンの香/森澄雄
夜濯にありあふものをまとひけり/森川暁水
芽木長屋夜濯ぎに鳴るポンプいくつ/飴山實
夜濯ぎのひとりの音をたつるなり/清崎敏郎
暗きまゝ処女の夜濯ぎなほつゞく/右城暮石
それぞれの夜濯ぎおへて旅にあり/小川濤美子
みごもれば身重になれて夜濯ぎす/本宮夏嶺男
夜濯ぎや水無きくらしありしこと/田中あかね
夜濯ぎの肘まで濡らしゐて訪はる/殿村莵絲子
夜濯ぎに賑はふコインランドリイ/松沢満里子