「花氷」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「花氷」について
【表記】花氷
【読み方】はなごおり
【ローマ字読み】hanagori
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「は」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
花氷を含む俳句例
紫は都忘よ花氷/平野青坡
花氷頂の色何の影/原石鼎
鋸の角鮮しき花氷/荏原京子
人群るる中一本の花氷/堀政尋
幕合ひの人ながれくる花氷/篠原
三越を歩き呆けや花氷/中村汀女
花氷みがかれ解けて滑かに/篠原
往来の人を魚とす花氷/小澤克己
花氷行幸啓の明治かな/今泉貞鳳
深海の花は棒立ち花氷/対馬康子
少年の恋花氷痩せてあり/岸田稚
駅長の粋な計らひ花氷/高澤良一
花氷盛夏の綺羅に相映ず/増田龍雨
直立のあやしくなりぬ花氷/轍郁摩
縁談の一会かなしき花氷/岡田和子
花氷立てゝ花嫁控への間/小川純子
駅たのし山を廻らせ花氷/松裏薙世
自ら古りゆくものに花氷/中村苑子
腹筋はアリアの為ぞ花氷/中原道夫
花氷はこぶ街空かき曇る/宮武寒々
俳句例:21句目~
人の世の映れば歪む花氷/高橋悦男
花氷向ふの妻の顔ゆがむ/茂野六花
花氷女の嘘もうつしけり/野村喜舟
花氷添へて立てけり太柱/島田青峰
花氷五十路半ばはまだ惑ふ/松本竜庵
観衆にとけてあとなし花氷/飯田蛇笏
花氷うつくしきこゑ冷淡に/石原舟月
花氷凹みひそめる我を見し/田中王城
花氷時間とけつつありにけり/塙告冬
初秋や通夜の灯うるむ花氷/渡辺水巴
咲き切れば終ふる命を花氷/稲畑汀子
巷より女人灼け来ぬ花氷/徳永山冬子
披露宴内輪ですます花氷/長崎小夜子
歌舞伎座のロビーの隅の花氷/北河翠
母と子の胸をへだてて花氷/中嶋秀子
花氷愛でて死体のやうな指/櫂未知子
背信のグラスを交はす花氷/澤田緑生
花の精閉ぢ込めてゐる花氷/塩川雄三
ルームキー提げて近づく花氷/寺井谷子
自づから古りゆくものに花氷/中村苑子
俳句例:41句目~
花氷をんなは老ゆること早し/岸風三楼
花氷人のいのちのかたはらに/田村木国
花氷花びらの端のしろがねに/加来義明
花氷四方に置かれ逃げられず/大屋達治
花氷ねむき給仕に融け痩する/日野草城
花氷かかる日思ひまうけしや/中村苑子
花氷のなかに人の手終戦日/田川飛旅子
花氷生きてゐしかば眼濡れ/岩井三千代
花氷ひとりになれば涙ぐみ/徳田千鶴子
花氷女人けむりのごとよぎる/藤岡筑邨
銀化する貝のまどろみ花氷/磯貝碧蹄館
花氷に大臣遠く顔見えず/長谷川零餘子
花氷すこし傾ぎしまどゐかな/山田弘子
花氷夜もゆるむべきタイならず/今井脩二
花氷ありて彼女にばつたりと/成瀬正とし
くれなゐを籠めてすゞしや花氷/日野草城
泣きつつもどこか醒めをり花氷/都筑智子
乙女等のギターつまびく花氷/伊丹さち子
くれなゐをみどりを籠めて花氷/日野草城
花氷にハンカチ当てし布目つく/田川飛旅子
俳句例:61句目~
チューリップ飛び出してゐる花氷/深見けん二