「キャンプ」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「キャンプ」について
【表記】キャンプ
【読み方】きゃんぷ
【ローマ字読み】kyampu
子季語・関連季語・傍題・類語など
・キャンプ村(きゃんぷむら:kyampumura)
・キャンプファイヤー(きゃんぷふぁいやー:kyampufuaiya)
・キャンピング(きゃんぴんぐ:kyampingu)
・天幕(テント:tento)
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季節による分類
・「き」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
キャンプを含む俳句例
幕営の少女炊事に没頭す/内藤吐天
山中のテントむしばむ星の数/内野修
雨音の高くテントの明るさよ/後藤章
日の肩のテント帰りて男臭/都筑智子
大テント招魂祭の椅子並ぶ/小路紫峡
崖羊歯に合唱ランプ寄せ集め/飴山實
一人用テントを張りて岩釣/茨木和生
坑口に水接待のテントかな/梅崎魁陽
夕立のまへの木騒にテント張る/篠原
頭影テントをなかば占めうごく/篠原
眉白や朝餉の匂ふキャンプ村/樟真弓
霧しづく柱をつたふキャンプかな/篠原
食卓の少し傾くキャンピング/中野孤城
女ばかりの幕営に兜虫飼はる/内藤吐天
露更けぬテント四人の無言界/岡田貞峰
一斉に灯が消ゆ英語キャンプ村/伊藤径
テント張る磯の釣鐘岩のかげ/高澤良一
鰯雲遠くキヤンプのもの洗ふ/岸風三楼
青淵の磧に一人キャンプせり/右城暮石
バンガロー退屈な雨降つてをり/新田充穂
俳句例:21句目~
活発に飛びまはる蝶キヤンプ解く/森田峠
山崩れせし磧にてキャンプ張る/右城暮石
バンガロー一軒づつの朝が来る/坊城中子
キヤンプの水汲む急流の水選び/右城暮石
牧夫われキヤンプの子等に物語/依田秋葭
葉さやぎの来てはテントを膨らめぬ/篠原
片栗の花咲き閉ざすキャンプ場/吉井竹志
キャンプの火上れる空の穂高岳/加藤楸邨
幕営の灯はかゝぐれど無人島/佐野まもる
牛引いて里人通るキャンプ村/佐藤寥々子
川原石背中に痛きキャンプかな/堀/勇夫
幕営の山靴ほたるぶくろ挿す/中戸川朝人
キャンプの水汲む急流の水選び/右城暮石
梓川瀬音たかまるキャンプかな/加藤楸邨
漆の木何より恐れキヤンプの娘/桑田青虎
幕営して流れの急なところ汲む/津田清子
キャンプして森の匂ひの髪洗ふ/前川紅楼
巌に置くキャンプの胡瓜青々と/橋本鶏二
キヤンプの灯淡き暈もつ遠雪崩/渡辺立男
湖の向かうのキャンプ村眠る/村中/美代
俳句例:41句目~
テント割り無傷の朝を流し込む/伊藤敬子
キャンプ張る男言葉を投げ合ひて/岡本眸
キャンプ容れ山は深さを失ひぬ/津田清子
青春の昏さキャンプの燈を消して/津田清子
うすみどりわれらのテント尖り立てり/篠原
バンガローひとつひとつに違ふ空/黒沢孝子
このあたり巣箱多しとキヤンプ張る/森田峠
バンガロー絵茣蓙一枚敷けるのみ/桑田詠子
すぐきまる炊事当番キャンプ張る/宮林斐子
せせらぎに水櫛使ふキャンプかな/西村和子
バンガロー隣といふも葛がくれ/鳥居ひろし
捕虫網立てかけテント撓みをり/中戸川朝人
母の日のテント継ぎ足す花舗の軒/山野宏子
炎天にテントを組むは死にたるか/藤田湘子
葬の列撓め容れたる梅雨テント/平井さち子
キャンプの子蝶をまとへる水運び/橋本榮治
蟋蟀が鳴くいま張りしテントにて/茨木和生
キャンプの火あがれる空の穂高岳/加藤楸邨
象亀のやうなテントもキャンプ場/高澤良一
黍畑に月出て赭しキャンプの唄/星野麦丘人
俳句例:61句目~
キャンプの灯扇びらきに谿うづめ/岡田貞峰
キャンプの荷一番上にギターのせ/下村梅子
キャンプ出て暁の尾根ともし行く/田中静竜
キャンプ出て月に髪梳く少女らし/岡田日郎
キャンプ寝て太白西に落ちゆけり/山口誓子
キャンプ張る杭は杭もて叩かるる/神山幸子
キャンプ村子供が醤油借りにくる/木田千女
キャンプ村素足にて物借りにくる/辻田克巳
キヤンプの子大王崎の濤を描く/鈴鹿野風呂
キヤンプ出て月に髪梳く少女らし/岡田日郎
キヤンプ張る浜昼顔も入れて張る/岸風三樓
倒れ木にキャンプの朝のもの刻む/皆吉爽雨
岩の上にロープ干しあるキャンプかな/篠原
岬端は太初の青ぞキャンプの火/岩瀬/木蘭
島かげに雨のキャンプを張る若さ/山田弘子
島にはやキヤンプの一つ湖畔余花/皆吉爽雨
年の夜の樹氷が囲むキヤンプの灯/太田蓁樹
急流の此処でキャンプの重荷解く/宮里流史
日輪濡れキャンプ少女の鏡濡れ/殿村莵絲子
森と言ふ森を独占してキャンプ/佐藤冨士夫
俳句例:81句目~
火取虫キャンプの暗き灯にも来る/塩川雄三
男たち朝のキャンプを突つ切つて/行方克巳
稲妻を浴びゐてキャンプ隙間なし/内藤吐天
象亀のやうなテントもキャンプ場/高澤良一
迎火をキヤンプの外に焚くもあり/鈴木花蓑
隣人も夕餉の早きキャンプかな/笹本カホル
蜑の子等見てゐる浜にキャンプ張る/西尾虹人
ほとゝぎすテントを出でて仰ぎけり/野村泊月
キャンプ更け残り火を消す山の雨/坂本山秀朗
さそり棲む火の山の島キャンプ張る/安井政郎
大合歓の闇ゆるぎなしキヤンプの火/亀井糸游
寝不足の顔がぞろぞろキャンプより/猪子青芽
わらいあいキャンプの灰の溜りけり/四ツ谷龍
温泉町出てそこに湖畔のキヤンプ村/高濱年尾
キャンプの色を青過ぎると思ふ齢/加倉井秋を
キャンプの杭打ち込む力見守られ/橋本美代子
キャンプ更け雲にとどろく浄土川/望月たかし
キャンプの火生業の火とちがう彩/堀之内長一
黄鶲に一つのキャンプ夜を待つも/望月たかし
キヤンプの灯流れの荒きところにも/右城暮石