季語/氷室(ひむろ)を使った俳句

「氷室」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「氷室」について

【表記】氷室

【読み方】ひむろ

【ローマ字読み】himuro

子季語・関連季語・傍題・類語など

・氷室守(ひむろもり:himuromori)

・氷室の雪(ひむろのゆき:himuronoyuki)

・氷室の山(ひむろのやま:himuronoyama)

季節による分類

・「ひ」で始まる夏の季語

・「夏の行事」を表す季語

・「晩夏」に分類される季語

月ごとの分類

7月の季語

氷室を含む俳句例

同じ詠俗西行や氷室守/調古

氷噛めば匂ふ氷室の桜かな/闌更

涼しさや氷室の雫々より/千代尼

海鼠腸の壺埋めたき氷室哉/利重

水の奥氷室尋ぬる柳哉/松尾芭蕉

舌鼓打つや氷室の桜狩/尾崎紅葉

一輪草二輪草咲き氷室みち/瀧春一

雨休ミ氷室の餅も届きたり/飴山實

丹波の国桑田の郡氷室山/高浜虚子

馬虻の氷室口までつき来り/臼田亞浪

鶯や永き日を知る氷室守/広江八重桜

氷室山北より見れば櫻かな/松瀬青々

氷室山美童の素足垣間見て/大庭紫逢

凄しき雨に鎖すや氷室山/安藤橡面坊

十薬の闇を溜めゐる氷室跡/不破幸夫

石菖に青き日矢さす氷室口/新井盛治

秋暑う氷室の氷尽きにけり/篠崎霞山

山風に鋸屑薫る氷室かな/大須賀乙字

山鳥は氷室櫻に出でにけり/松瀬青々

帛を裂く鳥声樹々に氷室かな/伴新圃

俳句例:21句目~

草の花氷室名残りの上り坂/高澤良一

遠き世の光となりし氷室祭/小野里勲

雲の峰山ふところに氷室秘す/神蔵器

月を見に夕坂のぼる氷室町/桂樟蹊子

枯笹や氷室すたれし蕗の薹/室生犀星

露人の血継ぎて髯濃し氷室守/杉本寛

青雉子に氷塊あます氷室口/堀口星眠

多羅の花ちりて秋暑の氷室径/石原舟月

大なる池を木の間に氷室かな/小澤碧童

氷室の扉かたし杉生は花を垂り/瀧春一

氷室守出て来て径を教へけり/前田普羅

氷室守清き草履のうらを干す/前田普羅

氷室山里葱の葉白し日かげ草/榎本其角

虎杖に氷室の雪をこぼしゆく/大谷句佛

誰か居る氷室の戸口蓑を置き/鈴木玉斗

足もとの谷は雨ふる氷室かな/高田蝶衣

氷室山雲鎖す木々の雫かな/大須賀乙字

浮かぬ顔しつゝ氷室に働けり/右城暮石

風ずれの檜にほふや氷室跡/宇佐美魚目

萱厚く氷室を葺きて白蛾湧く/吉田紫乃

俳句例:41句目~

この落葉氷室の神の踏みたまふ/後藤夜半

世の移り氷室守る家減つてゆく/白山人一

忌みてなお氷室の闇を忘れかね/大庭紫逢

恋猫がよぎるうつろの蚕卵氷室/堀口星眠

氷の字二つに割れて氷室開く/松浦沙風郎

氷室への径刈りありてひとつ族/宮坂静生

鉄扉して大岩がねの氷室かな/阿波野青畝

氷室守くらき目をして年闌けぬ/筑紫磐井

雷のあと氷室のなかにゐる如し/高澤良一

氷室よりうしろしざりに氷出す/山本歩禅

ひるがほのあまた咲くなり氷室みち/及川貞

ましら伝ふ枝鳴り近づく氷室かな/高田蝶衣

恋ひとつ氷室に閉ぢて帰りけり/金久美智子

氷室さへあるべき山のいでゆかな/子規句集

氷室までぼう~としてエノキグサ/前田普羅

泊まりたる宿のあるじが氷室守/出口まこと

氷室会の星座下りきて出湯に組む/中里麦外

酔ひてふるき唄をうたへり氷室守/成瀬桜桃子