季語/夏菊(なつぎく)を使った俳句

「夏菊」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「夏菊」について

【表記】夏菊

【読み方】なつぎく

【ローマ字読み】natsugiku

子季語・関連季語・傍題・類語など

・夏の菊(なつのきく:natsunokiku)

季節による分類

・「な」で始まる夏の季語

・「夏の植物」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

夏菊を含む俳句例

夏菊や薬とならん床の上/智月

夏菊病児の友の鄭重語/佐藤鬼房

夏菊に透垣をうつ狐雨/飯田蛇笏

夏菊や陶淵明が朝機嫌/井上井月

夏菊や霧吹いて置く酒莚/井上井月

夏の菊暗い夜明けの軒雫/大井雅人

蛇にほこ~土や夏の菊/島村元句集

夏菊や渦潮までの海平ら/鈴木桜子

夏菊の土金神に香を焚く/松村蒼石

昆虫と夏菊を手に子と歩む/三谷昭

菊好きの母に供へし夏の菊/押谷隆

夏菊や行院に湧く僧のこゑ/足立まき

夏菊や稔れるものの畑隅に/石川桂郎

夏菊の活けあり村の大師堂/皿井節子

夏菊に薬の露もなかりけり/子規句集

夏菊の墓跫音を吸ふごとし/高草矢江

夏菊や遠き野川に油浮く/秋元不死男

夏菊や人衰へてたたずみぬ/横光利一

白菊き菊そのほかに夏菊の紫/泉鏡花

師の遺影横むきの眼を夏菊に/上村占

俳句例:21句目~

夏菊に病む子全く癒えにけり/杉田久女

夏菊に露を打ちたる家ゐかな/上島鬼貫

夏菊に馴染初めたる大野かな/上島鬼貫

夏菊のたちまち涵す棺の丈/文挟夫佐恵

夏菊の吹かれて白し城ヶ島/鈴木しげを

夏菊の小しゃんとしたる月夜かな/一茶

夏菊の淡き匂ひもなかりけり/堀岡冬木

夏菊のありたけ入れる柩の中/福本天心

夏菊の雨の明るき黄色かな/大山清治郎

夏菊の黄のしまれるは夕なる/細見綾子

夏菊の黄はかたくなに美しき/富安風生

夏菊やうかうかと齢重ねたり/時国鶴枝

夏菊や東籬といはむに石熱し/村上鬼城

夏菊や病み臥す若き貌ばかり/加畑吉男

世に残ることの淋しき夏菊や/久米正雄

殺虫剤目をつけられし夏菊に/高澤良一

夏菊として枯菊に移りゆく/相生垣瓜人

紫陽花の俗なるを笑ふ夏の菊/会津八一

夏菊にまゆ商人をもてなしぬ/石井露月

夏菊に桑かたむきて家陰かな/飯田蛇笏

俳句例:41句目~

夏菊のなにか哀しき話かな/久保田万太郎

夏菊のさびしき駅が来ては去る/中島斌雄

夏菊に亡母けろけろと在すらん/今井竜蝦

夏菊や雨かゞやかに砂しめす/金尾梅の門

墓もおどろくほど夏菊を抱へ来し/安住敦

南北の旅に夏菊咲きにけり/長谷川かな女

夏菊や嶺あきらかに雨のひま/島村元句集

夏菊や戦さに痩せし身をいとふ/渡邊水巴

夏菊の蜘蛛のさみどり掌に移す/村尾優子

夏菊の赤ともつかずたゞれたる/西山泊雲

夏菊や山からのぼる土佐の雲/大峯あきら

夏菊のほぐれかけたる莟かな/久保田万太郎

夏菊の咲いて雨降りばかりかな/副島いみ子

素見す夜の夏菊の匂ひ掌にのこる/原田種茅

夏菊のよりどころなし白ばかり/成瀬桜桃子