「霜月」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「霜月」について
【表記】霜月
【読み方】しもつき
【ローマ字読み】shimotsuki
子季語・関連季語・傍題・類語など
・霜降月（しもふりづき：shimofurizuki）
・雪待月（ゆきまちづき：yukimachizuki）
・雪見月（ゆきみづき：yukimizuki）
・神楽月（かぐらづき：kagurazuki）
・神帰月（しんきづき：shinkizuki）
・子の月（ねのつき：nenotsuki）
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季節による分類
・「し」で始まる冬の季語
・「冬の時候」を表す季語
・「仲冬」に分類される季語
月ごとの分類
霜月を含む俳句例
霜月や軒にかさねし鰻笊/安住敦
霜月の庫裡八角の太柱/加古宗也
暮て行時雨霜月師走哉/井原西鶴
霜月のひかり泛べて青畳/有働亨
霜月の庫裏八角の太柱/加古宗也
霜月や紬に合はす母の帯/村上光子
霜月や松ぽぐり干す草の宿/原月舟
霜月や大瀬にうかぶ詣船/飯田蛇笏
霜月や夜に抗ふ薔薇の白/石塚友二
霜月の朝少年を中絶せり/斎藤冬海
霜月のさ筵かけし人葬る/萩原麦草
土煙りせり霜月の松畠/藤田あけ烏
霜月や狸にも会う狢穫り/金子兜太
朝霧の中に霜月歩み来る/仙田洋子
霜月やみそ一番の甲羅酒/太田蓁樹
浅草や霜月暗き六区の灯/石塚友二
霜月やこうの彳々ならびゐて/荷兮
霜月も末の雨浸む菊葎/水原秋櫻子
編笠や人に知られし面魂/石井霜月
霜月や日ごとにうとき菊畑/高浜虚子
俳句例:21句目～
霜月や手燭の翳のマリア像/倉田春名
霜月の瀧に聲なき瀧不動/下村ひろし
懐子霜月二十日過ぎにけり/古舘曹人
新漬の重石うつくし霜月朔/塚本邦雄
母の忌の霜月鰈子を抱き/八牧美喜子
霜月の奥処や藍の深ねむり/斎藤梅子
霜月の川口船を見ぬ日かな/藤野古白
霜月の霜に飾られささめごと/松澤昭
霜月の崩れ崩れし簗を見る/上原はる
霜月や酒さめて居る蝮取り/前田普羅
仏前に供ふ霜月の山龍胆/阿部みどり女
噴水をひきたてゝゐる空の色/美濃霜月
提灯の下にあそぶ子お霜月/吉岡禅寺洞
水カンナ霜月の種こぼしけり/青木重行
落柿舎は閉す霜月月夜かな/近藤浩一路
藁炭のふる霜月の遠あぜみち/筑紫磐井
見通しのつかず霜月半ば過ぐ/今村青魚
釣舟を吹く霜月の天気かな/大場白水郎
霜月のもぐさの赤き袋かな/鈴木しげを
霜月の夜を水色に別れきし/秋吉世津子
俳句例:41句目～
霜月の小道にくさる紅葉かな/正岡子規
霜月の峡のわかし湯鶏屠る/富岡掬池路
霜月の染師が摘めり臭木の実/青木重行
霜月の瀬をひるがへす深山風/有泉七種
霜月の目に見えて時流れたる/相馬遷子
霜月の紐のてふてふ結びかな/鈴木伸一
霜月の菜に咲く花の水色に/廣江八重櫻
霜月の黄釉の鉢に康熙の銘/伊藤いと子
霜月や下駄の音冴ゆる大通り/寺田寅彦
霜月や朝の支度を夜のうちに/椎橋清翠
霜月や朱の紐むすぶ壺の口/神尾久美子
霜月や洩るる馬穴に真綿つめ/石川桂郎
霜月や壷に活けたる枝蜜柑/島村元句集
一兎死に孤兎霜月の耳垂るる/川口重美
霜月や雲もかゝらぬ昼の富士/正岡子規
霜月や鯨入り来し伊勢の海/宇佐美魚目
馬の背や緋蕪のぞかすお霜月/石橋秀野
霜月の屋根の落葉を掃きにけり/野村泊月
素手をもて熱湯を掻く霜月祭/佐藤たみ子
渡殿や人行き交うてお霜月/阿部みどり女
俳句例:61句目～
霜月や去年知らざりし遊びして/大石悦子
ペン重し霜月六日雨と書く/阿部みどり女
霜月や座辺の厭きぬおもひごと/飯田蛇笏
シャガールの馬天翔けよ霜月夜/村上光子
霜月の土間のぬくみや芭蕉庵/加藤知世子
霜月のをはりに塔のたちにけり/山本洋子
霜月や素通りのごと逝き給ふ/殿村菟絲子
霜月のはじめを雨の伊豆にをり/鈴木鷹夫
霜月の菊に多数の蜂あはれ/阿部みどり女
霜月や額の枝を刈る手応へなく/石川桂郎
霜月夜細く細くせし戸の隙間/橋本多佳子
風鈴にあつまる風の見ゆるかな/吉田霜月
春の霜月ある方へ消ゆるかな/長谷川かな女
一茶忌の霜月もひれ屁ひり虫/菅原師竹句集
霜月の白湯の粒子を噛んでをり/鳥居おさむ
その人の亡き霜月のつづきをり/大峯あきら
霜月の眼を燃やしいる山童子/長谷川かな女
ことなきに似て霜月のひそけさよ/藤内しづ
霜月のかたつむりこときれてゐし/日野草城
身のどこかああ霜月のけものみち/栗林千津
俳句例:81句目～
霜月/秋雨や蕪村おもいの深睡り/宇多喜代子
本の名は『河馬に噛まれる』霜月夜/大木あまり
かくて霜月糸を干す男に暮れてゆく空日日/安斎櫻カイ子
ジャンギャバン死せり霜月の樹のようなまたその翳のような人/晋樹隆彦
