「多喜二忌」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「多喜二忌」について
【表記】多喜二忌
【読み方】たきじき
【ローマ字読み】takijiki
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「た」で始まる春の季語
・「春の行事」を表す季語
・「初春」に分類される季語
月ごとの分類
多喜二忌を含む俳句例
多喜二忌の全灯点る市場/木村敏男
多喜二忌の星大粒に海の上/菖蒲あや
蟹に指挟まれ多喜二忌の渚/石井里風
多喜二忌のは海へ向けて干す/大牧広
蟹缶の赤きラベルや多喜二の忌/有田文
もり塩に人の世灯る多喜二の忌/佃藤尾
石斧のごとき残雪多喜二の忌/関口謙太
紅梅の夜空がそこに多喜二の忌/原田喬
指で裂く鰯の腹や多喜二の忌/生江通子
多喜二忌の埠頭に刺さる波の先/源鬼彦
多喜二忌の夜空に白き飛行船/板谷芳浄
多喜二忌や赤き実残る防雪林/佐々木茂
多喜二忌やベストの釦掛け違ふ/二宮一知
躍りゆく水の分厚さ多喜二の忌/佐々木幸
沖どめの船が水吐く多喜二の忌/原田青児
タラバ蟹足括られて多喜二の忌/村井杜子
多喜二忌やまだある築地警察署/三橋敏雄
多喜二忌の崖に野鳥の骨刺さり/友岡子郷
音のして飯炊けてくる多喜二の忌/森田智子
饅頭に焼ごてを当て多喜二の忌/久保田千鶴
俳句例:21句目～
口シヤより蟹船の着く多喜二の忌/吉田君子
多喜二忌のあをぞらのまま夜の樅/大坪重治
多喜二忌の市電に走り追ひつくも/本多静江
多喜二忌の干して軍手に左右なし/長岐靖朗
多喜二忌の海真つ青に目覚めけり/木村敏男
多喜二忌の肉食の眼のひかるなり/谷山花猿
スコップに雪の切れ味多喜二の忌/辻田克巳
多喜二忌や工衣の襟のすりきれし/福地/豊
多喜二忌や焦げ目のつかぬ炊飯器/五十嵐修
多喜二忌や発禁の書を読み返し/遠藤若狭男
多喜二忌や鈍色の浪くづれたる/大竹多可志
夫若く故郷出でし日多喜二の忌/石田あき子
比内鶏噛みしめている多喜二の忌/有賀元子
汽罐車の目鼻の雪や多喜二の忌/平井さち子
海に降る雨横なぐり多喜二の忌/吉田ひろし
煙草火を借りて離任す多喜二の忌/国枝隆生
爪深くインク浸みをり多喜二の忌/鈴木智子
多喜二忌の毛蟹抛られ糶られけり/菖蒲あや
錐揉んでてのひら熱き多喜二の忌/伊藤柳香
かなしげな犬の眼に逢ひ多喜二の忌/河野南畦
俳句例:41句目～
ごぼりごぼりと今もこの川多喜二の忌/原田喬
洗ふ皿くきくきと鳴く多喜二の忌/岡部いさむ
多喜二忌の海鼠腸抜かれをりにけり/矢代克康
多喜二忌の焼いても口を割らぬ貝/飯田あさ江
傷ぐるみ漉されしおもひ多喜二の忌/栗林千津
てのひらで豆腐切らるる多喜二の忌/関谷雁夫
多喜二忌や地に嫋嫋と濡れわかめ/大木あまり
多喜二忌や糸きりきりとハムの腕/秋元不死男
吹かれゐて髪が目を刺す多喜二の忌/角谷昌子
多喜二忌の稿更けわたる廻套かぶり/赤城さかえ
咽ぶごと雑木萌えおり多喜二忌以後/赤城さかえ
バラバラのパックの蟹買ふ多喜二の忌/斎藤由美
ふつつりと海の暮れたる多喜二の忌/成田智世子
