季語/夜寒(よさむ)を使った俳句

「夜寒」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「夜寒」について

【表記】夜寒

【読み方】よさむ

【ローマ字読み】yosamu

子季語・関連季語・傍題・類語など

・夜寒さ(よさむさ:yosamusa)

・夜を寒み(よをさむみ:yosamumi)

季節による分類

・「よ」で始まる秋の季語

・「秋の時候」を表す季語

・「晩秋」に分類される季語

月ごとの分類

10月の季語

夜寒を含む俳句例

掌に藍染込で夜寒哉/一茶

小便所爰と馬呼夜寒哉/一茶

栗焼て枝に風聞夜寒哉/太阜

鶏の小首を曲る夜寒哉/一茶

両国の両方ともに夜寒哉/一茶

咄スル一方は寝て夜寒哉/一茶

夜寒さや大根白き厠の火/梧月

真丸に小便したる夜寒哉/一茶

石梨のからり~と夜寒哉/一茶

稚子の二人親しき夜寒哉/旨原

たばこ盆足で尋る夜寒哉/一茶

旅人の互に名乗る夜寒哉/弄我

爪弾の妹が夜寒き柱かな/泉鏡花

衰に夜寒逼るや雨の音/夏目漱石

浄土寺の夜寒の襖太柱/黒田杏子

入めんの下焚立つる夜寒哉/芭蕉

足の毛の足を擽る夜寒かな/百間

六十に二ッふみ込む夜寒哉/一茶

缺々て月もなくなる夜寒哉/蕪村

木曾殿と脊あはする夜寒哉/又玄

俳句例:21句目~

子鼠の梁渡る夜寒かな/中川宋淵

六甲の夜寒に備ふ旅鞄/河野美奇

朝寒の潮来夜寒の鹿島かな/素十

枕辺に眼鏡を外す夜寒かな/誓子

藪陰をてうちん通る夜寒哉/一茶

咬矛する人に目覚て夜寒哉/一茶

大声に夜寒かたるや垣越に/一茶

きり~すなくや夜寒の芋俵/許六

青空のきれい過たる夜寒哉/一茶

挑灯の厠へ通ふ夜寒哉/正岡子規

垣外へ屁を捨に出る夜寒哉/一茶

抱帯とかずに宿の夜寒かな/たつ

山案内したる汝と夜寒酒/上村占

夜寒さの黍稈焚くや陣の前/瀾水

病雁の夜寒に落て旅寝かな/芭蕉

魚の棚寝後れ人の夜寒哉/松瀬青々

三十日銭がらつく笊の夜寒哉/一茶

あたらしき綿入着たる夜寒哉/月居

謙信の砦に近き夜寒かな/佐藤春夫

一人と帳に付いたる夜寒かな/一茶

俳句例:41句目~

一人と書留めらるゝ夜寒かな/一茶

朝寒も夜寒も人の情かな/夏目漱石

高山の辻より戻る夜寒道/高澤良一

學寮の燭爛爛と夜寒かな/会津八一

やゝ老て初子育る夜寒かな/炭太祇

馬方の馬にものいふ夜寒かな/鳴雪

板敷に提燈おきぬ夜寒人/田中冬二

大内山思ふ朝寒夜寒かな/岩崎照子

客僧の言葉少き夜寒かな/寺田寅彦

木兎が杭にちよんぼり夜寒哉/一茶

大根切る音や夜寒の台所/寺田寅彦

臼ニなる榎倒れて夜寒哉/中村掬斗

灯ちら~どの皃つきも夜寒哉/一茶

乞食の銭よむ音の夜寒哉/正岡子規

横顔の誰ぞに似たる夜寒かな/間石

蝋燭の尻に穴なき夜寒かな/龍岡晋

朝寒く夜寒く人に温泉あり/たかし

旅人や夜寒問合ふねぶた声/炭太祇

線香の煙の龍の夜寒かな/野村喜舟

前に行く人見失ふ街夜寒/島田青峰

俳句例:61句目~

夜寒さの師団長邸厩音/楠目橙黄子

旅にやむ夜寒心や世は情/夏目漱石

夜寒さの松江は橋の美しき/森澄雄

山寨に篝焚き居る夜寒哉/寺田寅彦

夜寒さの水鼻落ちん本ンの上/朱拙

夜寒さの皿洗ふ音山中に/野澤節子

夜寒さの窓に狸の礫かな/岡村三鼠

抱關と撃柝と語る夜寒哉/寺田寅彦

助六を夜寒の狸おもへらく/泉鏡花

仏壇に浄瑠璃本の夜寒かな/針呆介

落雁の声のかさなる夜寒かな/許六

巫女に狐恋する夜寒かな/與謝蕪村

玲瓏の飴玉舐る夜寒かな/田中冬二

物音の隣まぢかき夜寒哉/中川宋淵

夜寒の灯こぼして暗し蟹田川/占魚

御所方も夜寒につづく砧かな/ふぢ

菊人形既に夜寒の姿かな/増田龍雨

夜寒よと語るか指に指が触れ/林翔

鹿鳴いて猫は夜寒の十三夜/服部嵐雪

擁きて夜寒の寝息分つなり/小林康治

俳句例:81句目~

妻の影吾が影夜寒始まりぬ/杉山岳陽

掻きあはす夜寒の膝や机下/杉田久女

宵寒や田舎源氏の手の早さ/加藤郁乎

むしの後人の機織る夜寒哉/横井也有

飛騨隣り一万石の夜寒町/島村元句集

家近く夜寒の橋を渡りけり/高浜虚子

顔に来る夜寒の蠅をゆるしけり/林翔

銭湯に端唄のはやる夜寒哉/正岡子規

遠足の貝殻も夜寒山どころ/石井露月

一人旅一人つくづく夜寒哉/正岡子規

一燭に夜寒の影を守るかな/近藤一鴻

怪談の後ろ更行く夜寒かな/黒柳召波

貧僧の佛をきざむ夜寒かな/蕪村遺稿

貧に處す壁に夜寒の影法師/寺田寅彦

乳麪の下焚きたつる夜寒哉/松尾芭蕉

恵那颪雨もまじりて夜寒宿/吉田冬葉

月光に菜畑青き夜寒かな/楠目橙黄子

親みて後や夜寒の物おもひ/尾崎紅葉

書つゞる師の鼻赤き夜寒哉/蕪村遺稿

厨の灯消して夜寒の俄なる/山田閏子