季語/絵踏(えぶみ)を使った俳句

「絵踏」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「絵踏」について

【表記】絵踏

【読み方】えぶみ

【ローマ字読み】ebumi

子季語・関連季語・傍題・類語など

・踏絵(ふみえ:fumie)

・寺請証文(てらうけしょうもん:teraukeshomon)

季節による分類

・「え」で始まる春の季語

・「春の行事」を表す季語

・「初春」に分類される季語

月ごとの分類

2月の季語

絵踏を含む俳句例

絵踏めく殉教の地の落椿/朝倉和江

廻国の長崎日記絵踏かな/金沢辰生

浪青し絵踏行かせし渡守/中村汀女

傾城の蹠白き絵踏かな/芥川龍之介

そのかみの絵踏の寺の太柱/富安風生

絵踏跡の上の聖壇鳥渡る/岡部六弥太

乞食の子も許されず絵踏哉/会津八一

白梅に人の科ある絵踏かな/尾崎迷堂

山茶花の庭に遺りし絵踏石/江口竹亭

蟷螂を踏んで絵踏をせし思ひ/吉原一暁

花ふみし草履をぬいで絵踏哉/松瀬青々

絵踏なき世の片隅に神恐れ/副島いみ子

絵踏の世今は遠しや祈りけり/稲畑汀子

初夢のぬきさしならぬ絵踏かな/長田等

腹水を抜くと絵踏の面窶れ/山本つぼみ

舟で来て絵踏みの列に加はりぬ/本井英

海の日の闌干として絵踏かな/山口青邨

牡丹咲く浄土の寺に絵踏かな/正岡子規

疑ひの目ひき袖ひく絵踏かな/中川四明

島の子ら絵踏を知らず遊びをり/保坂伸秋

俳句例:21句目~

絵踏して生きのこりたる女かな/高濱虚子

絵踏して隠れ住むべき島もなし/井沢正江

絵踏してよべの涙の跡もなき/石島雉子郎

絵踏すんで仏法護持の談義かな/倉田萩郎

絵踏せし女に麝香にほひけり/加藤三七子

足袋はかぬ天草をとめ絵踏かな/青木月斗

遊び女のちひさき足の絵踏かな/細川加賀

遊女らの裾ながながの絵踏かな/藤村克明

韃靼のわだつみ黒き絵踏かな/加藤三七子

まなざしを髪でかくして絵踏かな/鷹羽狩行

今もなほ絵踏みや何か踏みつづけ/加藤秋邨

怖ろしきことをはじめし絵踏かな/松瀬青々

絵踏せぬとは今でこそ言へること/稲畑汀子

絵踏なき世に生まれ来し我等かな/稲畑汀子

罰よりも罪おそろしき絵踏かな/野見山朱鳥

絵踏せし世に遠く生きをりしかな/河野美奇

絵踏して子孫ぞろぞろ残しけり/荒木ひでこ

いはれなし絵踏の夢を見たること/星野麥丘人

絵タイルを踏みて絵踏の世は遠し/真木はるえ

絵踏みなどせぬくすくすと土不踏/ふけとしこ

俳句例:41句目~

絵踏してこれよりわれは馨るべし/佐々木六戈

うつむいてまなじり長き絵踏みかな/三宅清三郎