季語/冷房(れいぼう)を使った俳句

「冷房」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「冷房」について

【表記】冷房

【読み方】れいぼう

【ローマ字読み】reibo

子季語・関連季語・傍題・類語など

・冷房装置(れいぼうそうち:reibosochi)

・ルームクーラー(るーむくーらー:rumukura)

・クーラー(くーらー:kura)

・冷房車(れいぼうしゃ:reibosha)

季節による分類

・「れ」で始まる夏の季語

・「夏の生活」を表す季語

・「晩夏」に分類される季語

月ごとの分類

7月の季語

冷房を含む俳句例

冷房裡器械は億を計算す/滝春一

冷房の郵便局の窓に蝶/新野祐子

病室の冷房しばし無明音/松田秀一

特急の冷房効きて帽子脱ぐ/鍵岡勉

冷房や魂抜けて木隅人形/関森勝夫

冷房に見下す街の影かたし/金子潮

宝蔵に黒き首桶冷房利き/北野民夫

中吊りの広告変る冷房車/守谷順子

人間に足の大きさ冷房車/平井照敏

冷房にゐて国宝の滝の前/角川春樹

冷房の画廊に勤め一少女/岡田日郎

冷房の空気を昼の蛾横切る/菅裸馬

冷房車満洲の冬に話とぶ/京極杞陽

冷房のなき教室に山の風/稲畑汀子

冷房裡オペ顛末記筆談に/高澤良一

冷房の前後左右は幽霊図/松山足羽

冷房を逃れ来し庭夕風に/稲畑汀子

病棟の深夜冷房音どすん/高澤良一

白馬山麓星夜天然冷房裡/高澤良一

笑ふ声なき冷房の講師室/森田公司

俳句例:21句目~

船室の冷房海を青くせり/茨木和生

贋の花咲き冷房の喫茶店/寺岡捷子

髑髏圖も弱冷房裡国芳展/高澤良一

冷房に開きて閉ぢし冷蔵庫/後藤夜半

冷房のかつ雪嶺の絵の前に/皆吉爽雨

冷房のききて舞台は人殺む/いさ桜子

冷房のどすんと入る音の又/高澤良一

冷房車大河に沿ひてすぐ離る/岡本眸

湯気白く立つ冷房の理髪室/内藤吐天

口きいて外人と知る冷房車/武田忠男

冷房の風に縮まりゆく野性/櫂未知子

全館冷房紙の薄さの蒲焼に/沢木欣一

冷房の淡きところに火打石/能村研三

冷房にありて造花と相寄らず/徳弘純

冷房や男臭さのふと横切り/行方克巳

冷房の密室にゐて考えごと/高澤良一

冷房を使はぬ妻に今や馴れ/高澤良一

冷酷を冷房装置事とせり/相生垣瓜人

冷房に人ゐて人の声あらず/岡田貞峰

冷房の鋼鉄の扉のしまる音/日野草城

俳句例:41句目~

冷房や一僧壁によりかかり/岸本尚毅

冷房の書屋笑止の障子立つ/皆吉爽雨

冷房の椅子より細き脛二つ/田中朗々

冷房の強くて針小棒大に/中戸川朝人

冷房に居て人生を譲らずに/松山足羽

冷房に投げ出されある大辞典/原田喬

冷房に海の匂ひのまま眠る/仙田洋子

冷房に疲れし肩を叩くなり/星野立子

冷房に盛夏の果実みな青く/片山桃史

麻酔覚む底なし沼の冷房に/横山白虹

冷房の微風のトルコ桔梗かな/行方克巳

冷房の数の灯にわが影失せし/岡田貞峰

冷房の映画寝台のシーン長し/内藤吐天

冷房の水屋の障子しまりけり/後藤夜半

冷房の窓にはるかな緑十字旗/横山白虹

冷房の窓に触れをる芭蕉かな/東原芦風

冷房の茶房に芭蕉の行脚説く/関森勝夫

冷房の鏡中にわがすわりたり/石田波郷

冷房の頭の痛きまで効きて/金川ふみ子

冷房の鶴に乗りたる仙人画/佐々木六戈

俳句例:61句目~

冷房やカード真白となる手品/松本美簾

冷房や世辞に耳藉し医薬受く/河野南畦

冷房や人ゐて肚裡に澱むあり/石塚友二

冷房や子の高さにてドア汚る/津田清子

冷房や見るみるうちに接吻す/岩田昌寿

冷房や身に意識せぬ臓器満つ/内藤吐天

冷房を入れず自然の風待ち派/高澤良一

冷房を出て黒松にかこまれぬ/永田耕衣

冷房を山風に変へ旅のバス/佐山けさ子

冷房放射線室へ車椅子押さる/石川桂郎

冷房車出るや飛びつく熱と欲/香西照雄

冷房車横浜を過ぎ眼鏡拭く/猿橋統流子

冷房車濤かがやきて音もなし/長谷川櫂

壁白き部屋の冷房装置かな/成瀬正とし

壁鏡に冷房の花卉うるほひぬ/石原舟月

宇宙船あばたに灼けて冷房裡/高井北杜

完全冷房小器用者が揃ひたり/北野民夫

みず色の上司の触手冷房音/川崎ふゆき

冷房が嫌ひと言ひしこと忘れ/浅利恵子

眼鏡きらきらと冷房に入り来たる/林翔

俳句例:81句目~

冷房にゐて水母めくわが影よ/草間時彦

冷房に紫褪せし造花立ち/長谷川かな女

冷房のバスを吐き出す船の胴/大島民郎

身の裡の何が耗りゆく冷房舘/右城暮石

遺作展冷房こころもち厳し/佐野まもる

冷房の地階に降りて匂ひ甘し/目迫秩父

冷房の広間に海の展けたる/杉山マサヨ

クーラーのああ埃臭さ試運転/高澤良一

硬貨入れて購ふ音楽も冷房裡/文挟夫佐恵

冷房にひと日をり胸痩せにけり/草間時彦

大き荷を提げて娘を訪ふ冷房車/高橋恭子

冷房や騙されてゐるかも知れず/松山足羽

雲ゆきのあやしくなつて冷房車/如月真菜

冷房に背を剥がされて銀行出る/河合凱夫

見舞客勝手に変へて冷房「強」/高澤良一

冷房や泊つべきベッド階二十/稲垣きくの

拡声器冷房の壁にものを言ふ/池内友次郎

皿割れし音冷房をきずつけし/百合山羽公

冷房のドアあけて出る街の音/青葉三角草

濃羹汁に舌を焼く冷房完備せり/内藤吐天

夏の季語
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