季語/夜学(やがく)を使った俳句

「夜学」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「夜学」について

【表記】夜学

【読み方】やがく

【ローマ字読み】yagaku

子季語・関連季語・傍題・類語など

・夜学子(やがくし:yagakushi)

・夜学生(やがくせい:yagakusei)

・夜学校(やがっこう:yagakko)

・夜間学校(やかんがっこう:yakangakko)

・夜習(よならい:yonarai)

季節による分類

・「や」で始まる秋の季語

・「秋の生活」を表す季語

・「三秋」に分類される季語

月ごとの分類

8月の季語

9月の季語

10月の季語

夜学を含む俳句例

埋火や夜学にあぶる掌/白雄

髪若し夜学は雨月物語/上村占

先生の前に夜学の煙草盆/篠原

実や蛍夜学の暇たばこの火/守信

黒板に高き桁木や夜学寺/河野静雲

頭巾着て老いぬ夜学の影法師/太祇

蚊屋釣や夜学を好む真ッ裸/炭太祇

拡大鏡頼みに老の夜学かな/槙正方

大峰の月に帰るや夜学人/飯田蛇笏

全校の一教室の夜学の灯/須佐薫子

摩天楼最上階の夜学かな/仙田洋子

新任の夜学教師や椎の花/木村里風子

膝頭詰まる机に夜学かな/山下/輝畝

夜学の師少なき生徒一眺め/高浜虚子

木居る畳に坐り夜学かな/松本たかし

白髪の師を敬ひて夜学受く/松本弘孝

灯の暗き階段席の夜学かな/前田白雨

夜学けふ蒼々として海深図/内田暮情

警官の誰何も夜学帰りかな/松永恵子

闇にして唱へり夜学終へぬらし/林翔

俳句例:21句目~

辛うじて夜学修めし水温む/久米正雄

海鳴のさみしき夜学はげみけり/篠原

海亀の剥製のある夜学かな/岸本尚毅

一つ灯に賢兄愚弟夜学かな/小林寂無

一隅に夜学教師の梅雨の傘/沢木欣一

先生と気が合ひ夜学休まずに/岸善志

日本の小さくなりし夜学かな/龍岡晋

沙彌夜学月の畳のまん中に/橋本鶏二

翅青き虫きてまとふ夜学かな/木下夕爾

夜学の灯吊りて高さや古天井/島田青峰

たはしにて夜学教師の指洗ふ/沢木欣一

灯の下に夜学の如く卓を置く/高木晴子

教師出て夜学の門を開きけり/中瀬喜陽

住込の二階にかへる夜学かな/長倉閑山

校門の開きふくらむ夜学の灯/杉山加代

口笛に夜学の果てしことを告ぐ/森田峠

夜学教師黒板の奥へ帰りけり/味元昭次

山がつに雲水まじる夜学かな/飯田蛇笏

仕事着のまま教室へ夜学の子/岡安仁義

夜学部や宿直室に雪降り来る/森田智子

俳句例:41句目~

昇降機声なく満ちて夜学果つ/中嶋秀子

夜学の鐘やさし寒の月と雲に/古沢太穂

夜学の子今戻り来し門ギイと/久米正雄

蚊を叩く音も更けたる夜学哉/正岡子規

師に近き思ひの句座の夜学めく/岡本眸

沙翁説き今も貧しき夜学の師/香月梅邨

質問もなく終りたる夜学かな/小西須麻

夜学教師霧に食はれし肘の穴/栗生純夫

近々と夜学の灯なる障子かな/小杉余子

勤めより夜学へ夫の歩の若し/黒坂綾子

雅楽師の少年来たる夜学かな/松村響子

復唱の英語かたまりとぶ夜学/大橋敦子

顔あげず古歌説く夜学老教師/中村若沙

左足の靴がとほくにある夜学/大石雄鬼

同郷のホステスを呼ぶ夜学の師/八木博信

嘆かへば夜学の氷柱樫のごとし/杉山広三

夜学して蚊にくはれけり試験前/正岡子規

夜学すすむ教師の声の低きまま/高濱虚子

夜学すすむ教師の聲の低きまま/高浜虚子

夜学の灯消して俄にひとりなる/松倉久悟

俳句例:61句目~

夜学まぶし道より低き赤子の声/香西照雄

夜学少女髪赫かりき長かりき/山田みづえ

夜学教師に青葉ひしめくコップの水/綾子

夜学教師の黒く大きな梅雨の傘/細見綾子

夜学果つ廊下真つ先駆けてくる/永井龍男

夜学淋し運河の破船玻璃に峙つ/橋本鶏二

解剖の図古びてかかる夜学かな/橋本鶏二

女教師の声のひゞける夜学かな/加藤一蝶

子の部屋の夜学はかどる口笛か/亀井糸游

子等は夜学琴座の星は老梅に/佐野青陽人

山の子に夜学教へて住みつきぬ/木村蕪城

帰化試験受けんと老の夜学かな/常石芝青

年上の教へ子もゐる夜学かな/村中千穂子

彩りし犬の画姉妹夜学かな/長谷川かな女

杉の秀に星無し聖夜の夜学なる/香西照雄

湯沸く音身近くなりて夜学果つ/宮坂静生

火事の焔あがる夜学の窓ちかく/臼田亜浪

獄夜学あした出所をはげまして/小林波留

笑はせて収拾つかぬ夜学かな/中島不識洞

縁日を実はぬけきし夜学かな/荻野忠治郎

俳句例:81句目~

○呉れて共によろこぶ夜学かな/依田穂積

うばたまの夜学の窓をあけし儘/飯田蛇笏

蚊帳つりて夜学の人のともし哉/正岡子規

謝謝とテキスト閉ぢる夜学かな/越野蒼穹

がつたんと地球儀廻る夜学かな/中村若沙

さし油乞ひに母家訪ふ夜学かな/高田蝶衣

ひとり未だ揃はぬ夜学始まれり/西村博子

へつらふが如き夜学の教師かな/高浜虚子

イスラムの青年に貸す夜学の書/竹岡一郎

コロッケに藷のかたまり夜学果つ/辻桃子

音もなく星の燃えゐる夜学かな/橋本鶏二

ナイターの光彩の裡夜学了ふ/能村登四郎

三階より桐の花みる夜学教師/田川飛旅子

冷やかに坐を移し居る夜学かな/右城暮石

夜学の灯洩れ合ふ寮の廊下かな/五十嵐播水

塾生は檀家ばかりや庫裡夜学/佐々木あきら

雨のバス夜学終へたる師弟のみ/肥田埜勝美

夜学にもやつてもらつて勤めけり/森川暁水

ホ句の弟子集めし夜学机かな/長谷川かな女

コツペ一つ食ひちぎりつつ夜学の門/瀧春一

秋の季語
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