「雑炊」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「雑炊」について
【表記】雑炊
【読み方】ぞうすい
【ローマ字読み】zosui
子季語・関連季語・傍題・類語など
・おじや（おじや：ojiya）
・鶏雑炊（とりぞうすい：torizosui）
・鴨雑炊（かもぞうすい：kamozosui）
・河豚雑炊（ふぐぞうすい：fuguzosui）
・鼈雑炊（すっぽんぞうすい：supponzosui）
・鮟鱇雑炊（あんこうぞうすい：ankozosui）
・鮭雑炊（さけぞうすい：sakezosui）
・鱈雑炊（たらぞうすい：tarazosui）
・餅雑炊（もちぞうすい：mochizosui）
・薯雑炊（いもぞうすい：imozosui）
・菜雑炊（なぞうすい：nazosui）
・葱雑炊（ねぎぞうすい：negizosui）
・韮雑炊（にらぞうすい：nirazosui）
・卵雑炊（たまごぞうすい：tamagozosui）
・味噌雑炊（みそぞうすい：misozosui）
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季節による分類
・「そ」で始まる冬の季語
・「冬の生活」を表す季語
・「三冬」に分類される季語
月ごとの分類
雑炊を含む俳句例
愛憎や鮭雑炊の塩加減/上村占
臘八や今朝雑炊の蕪の味/惟然
雑炊の色も雪間の薺かな/几董
雑炊に月の明りの栄華哉/青蘿
雑炊にぬくもり口は一文字/普羅
夕顔に雑炊あつき藁屋かな/越人
雑炊や病後の奇しき健啖に/爽雨
蟹雑炊吹いて明るき濤頭/福島勲
誰かしる今朝雑炊の蕪の味/惟然
雑炊に生きて百書の志/遠藤梧逸
雑炊の名もはやされて薺哉/支考
唇を芹雑炊が焦しけり/前田普羅
玉蔵す如くに頬や雑炊吹く/上野泰
直会の雑炊煮立つ神楽笛/佐川広治
雑炊に舌をこがして勿体なし/風生
雑炊のきらひな妻や冬籠/子規句集
雑炊をよろこぶ我は戦中派/森田峠
雑炊や箸蕗味噌に度かさね/及川貞
雑炊に寺の子四方の襖より/赤松子
雑炊や一すぢ青き山の幸/鷹羽狩行
俳句例:21句目～
ありなしの葱雑炊に舌焼かん/森夢筆
蓬雑炊共にすすりて鳩間節/影島智子
うつし世に情なからめや芋雑炊/澄雄
雑炊や頬かゞやきて病家族/石田波郷
雑炊やながき余生の厨ごと/和田祥子
雑炊やこけしづくりの子沢山/瀧春一
雑炊を吹きつ家系を思ひけり/堤白雨
雑炊や格子戸暗きわが生家/村山古郷
雑炊の薬味異なる夫婦かな/三橋鷹女
背筋丸めてゐたりしが鰻雑炊/神崎忠
雑炊となりし宴に浪の音/中戸川朝人
雑炊の韮片よせて風邪長し/石川桂郎
韮雑炊命惜しまん気も少し/大石悦子
韮雑炊青ゆっくりと混りたる/成田清子
すつぽんの雑炊すする光悦忌/倉持嘉博
どっこいしょ独りの夜の雑炊に/中田亮
鴨を得て鴨雑炊の今宵かな/松本たかし
もの言へば雑炊焦げの舌にがし/草田男
鴨雑炊雨に容赦のなかりけり/増成栗人
おじやして一息つける雨の昼/高澤良一
俳句例:41句目～
三寒の昼餉おじやに腹が足り/高澤良一
国籍を問へば雑炊煮えたぎる/櫂未知子
死神の素通りしたり韮雑炊/小泉八重子
海に降る雪を見てこし菜雑炊/長谷川櫂
職引いて雑炊好きな母のそば/高澤良一
艸がれに雑炊すゝる樵夫かな/加舎白雄
若き父となり雑炊を吹き凹ます/三谷昭
薯雑炊好みし父の出世せず/松下/のぶ
雑炊を吹く日も空の氷河照る/坪内稔典
雑炊に非力ながらも笑ひけり/高浜虚子
雑炊の淡さ馴れ来し夏書かな/志田素琴
雑炊の腹ごぼと鳴る火鉢かな/富田木歩
雑炊もみちのくぶりにあはれなり/青邨
雑炊やこの風吹けば時化長し/高平春虹
雑炊や後生大事といふことを/高浜虚子
雑炊や老の風邪には薬なき/水原秋櫻子
雑炊や酔ひても母に仕へけり/小林康治
雑炊をこのみしゆゑに遁世し/高浜虚子
雑炊をふきふき啜るひとり言/田中冬二
雑炊を吹きくぼませて二人かな/原柯城
俳句例:61句目～
いい仲間ゐて雑炊で締めくくる/松井のぶ
雑炊も人のなさけもさびしかり/河野南畦
やがて座も河豚雑炊に終りけり/高浜年尾
雑炊やつくづく不肖なることも/永井龍男
父が愚痴の舌焦がしけり鰻雑炊/大石悦子
雑炊にたちまち霽るる葱のいろ/長谷川櫂
雑炊や世をうとめども子を愛す/小林康治
雑炊や古妻のたゞまめやかに/高橋淡路女
雑炊や夜更かしの灯に茂吉の書/角川春樹
探梅の記事あり雑炊の朝餉了ふ/原田種茅
雑炊や戯れ語の父のけぶらへる/大橋敦子
雑炊に蟹のくれなゐひそめたる/山田明子
雑炊や猫に孤独といふものなし/西東三鬼
雑炊を覚えて妻の留守に馴れ/小竹由岐子
書斎時を惜しみ雑炊はこばしむ/皆吉爽雨
雑炊のほのぼのしさをすすりこむ/松澤昭
みぞるるや雑炊に身はあたたまる/飯田蛇笏
河豚雑炊あつしあつしとめでて吹く/秋櫻子
雑炊や茫々切手をなめる舌を出す/川口重美
雑炊を炊かんシベリヤ風の夜は/高橋/向山
俳句例:81句目～
雑炊をすゝる母はも目をつむり/加藤蛙水子
韮雑炊いよいよ素なる我が暮し/小原菁々子
韮雑炊吹きさますなり摂取不捨/殿村菟絲子
雑炊に添へてちりめんじやこ少し/草間時彦
牡蛎雑炊煮えたつ迄のひとり言/平岡喜美子
雑炊に舌打ちしたるさびしさよ/能村登四郎
利尻メカブおじやうましよ当店は/高澤良一
ゆつくりと腑にゆきわたる河豚雑炊/佐川広治
一人だけ雑炊あとはみんな蕎麦/久保田万太郎
灯の町は見知らぬに似て鴨雑炊/鍵和田ゆう子
雑炊の湯気吹きこころ岐路に立つ/稲垣きくの
河豚雑炊とや吹くさまのをかしけれ/吉田鴻司
雑炊にともし火ひくく下ろしけり/高橋淡路女
昼は雑炊夜はシチューに風邪寄せず/高澤良一
妻の顔まぢかに風つのる夜の雑炊/栗林一石路
逢はずば知らぬ人のひとりや鴨雑炊/大石悦子
風邪の子のついでのおじやもらひけり/小島健
共に雑炊喰するキリスト生れよかし/中村草田男
