「冬の雨」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「冬の雨」について
【表記】冬の雨
【読み方】ふゆのあめ
【ローマ字読み】fuyunoame
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「ふ」で始まる冬の季語
・「冬の天文」を表す季語
・「三冬」に分類される季語
月ごとの分類
冬の雨を含む俳句例
垣越しの一中節や冬の雨/荷風
垣よりに若き小草や冬の雨/太祇
葬列に駅長帽も冬の雨/亀井糸游
勉強は一つ机や冬の雨/永井龍男
末黄ばむ竹屋の竹や冬の雨/宵曲
伐株の桑に菌や冬の雨/西山泊雲
水音の野中にくれて冬の雨/支朗
冬の雨柚の木の刺の雫かな/蕪村
宵やみのすぐれて暗し冬の雨/太祇
煙突の煙棒のごと冬の雨/高浜虚子
ぶつつかる風の断片冬の雨/塙告冬
宵の間や羽織わするゝ冬の雨/能一
両国に古りし下駄屋や冬の雨/一透
呼込んで豆腐買ひ居る冬の雨/篠原
永遠の待合室や冬の雨/高野ムツオ
伐り株の桑に菌や冬の雨/西山泊雲
冬の雨火箸ともして遊びけり/一茶
冬の雨越後鍛冶町銹色に/草村素子
いつまでも下る千生瓢冬の雨/青邨
水漬きつゝ木賊は青し冬の雨/汀女
俳句例:21句目～
冬の雨岳寂光に雪降れり/沢木欣一
冬の雨嶽寂光に雪降れり/沢木欣一
煤たてて明治のらんぷ冬の雨/仙蓼
明かき方向いて髪結ふ冬の雨/温亭
冬の雨崎のかたちの中に降る/篠原
捨犬の首輪の跡や冬の雨/松添博子
地釜より泡盛かほる冬の雨/飴山實
冬の雨火箸をもして遊びけり/一茶
帰る人泊つ人冬の雨の駅/稲畑汀子
異国にて相寄る心冬の雨/村木記代
荷もなうて柳やかろき冬の雨/亀世
降りてきし地階も冬の雨感ず/秩父
三越で番傘買ひぬ冬の雨/大場白水郎
久方の銀座で遇ひぬ冬の雨/石川文子
黒松に冬の雨ふる仁王門/柴田白葉女
俥屋の使いはしりや冬の雨/星野立子
元号のふわりと替る冬の雨/寺井谷子
戸一枚だけの灯もらす冬の雨/午次郎
惜みても余りある死や冬の雨/安原葉
冬の雨如来の闇に近づきぬ/高須ちゑ
俳句例:41句目～
土に帰る藁の匂ひの冬の雨/影島智子
燭の焔は立ち蕭々と冬の雨/山口青邨
染糸を炉上にほすや冬の雨/高田蝶衣
欅高し根笹を濡らす冬の雨/渡辺水巴
武蔵野を横に降る也冬の雨/夏目漱石
灰色の午後風そひぬ冬の雨/高木晴子
申訳なき忘れごと冬の雨/市川東子房
口開けて笑う羅漢に冬の雨/宇咲冬男
真暗な海を見てゐる冬の雨/塚田正子
紡績の笛が鳴るなり冬の雨/夏目漱石
冬の雨田の面を青くしたりけり/圭史
藁ぬれて山茶花残る冬の雨/室生犀星
藪の中暗くなりつゝ冬の雨/高濱年尾
蘭の香やここはどこの冬の雨/澁谷道
われが住む下より棺冬の雨/山口青邨
面白し雪にやならん冬の雨/松尾芭蕉
持蓮華を片付けてをる冬の雨/山西雅子
傘ささぬ子の現れし冬の雨/波多野爽波
今やらぬ浄瑠璃読むや冬の雨/小杉余子
冬の雨コオモリの軸夜を光る/大井雅人
俳句例:61句目～
炭切りの跡は掃かれて冬の雨/永井龍男
つきあたり寺の土塀や冬の雨/京極杞陽
しづけさの音となりゆく冬の雨/鈴木元
さまざまの夢の続きに冬の雨/嶋田麻紀
冬の雨花屋の全身呼吸かな/津田このみ
冬の雨ひねもす暗き小家かな/星野麦人
白樺のあれば明るく冬の雨/金箱戈止夫
冬の雨なほ母たのむ夢に覚め/中村汀女
砂丘越え来て冬の雨路に降る/木村蕪城
砂山のくまなく濡れぬ冬の雨/細川加賀
空の鳥籠篠つく冬の雨となる/成田千空
掃除しに上る二階や冬の雨/波多野爽波
冬の雨石を濡らせり情柔はく/松村蒼石
フラミンゴ苺クリーム冬の雨/小堤香珠
蓙帽子に子の名大きく冬の雨/佐野良太
冬の雨看護婦の話きいてゐる/藤木清子
冬の雨嫁がぬひとの眉こゆし/藤木清子
奴隷小屋ありし大地に冬の雨/仙田洋子
言ひつのる顔に鼻あり冬の雨/行方克巳
金沢に来て菓子買ふや冬の雨/細見綾子
俳句例:81句目～
武蔵野を横に降るなり冬の雨/夏目漱石
霄やみのすぐれてくらし冬の雨/炭太祇
冬の雨パンつけて傘返しけり/室生犀星
聳え立つ燈台冬の雨寄せず/金子麒麟草
たまさかに据風呂焚くや冬の雨/夏目漱石
にはとりの鶏冠しづくや冬の雨/石田郷子
冬の雨お神楽あがりゐたりけり/田村木国
来し人に手紙たのむや冬の雨/五十嵐播水
冬の雨さぶしからめと人の言ふ/細見綾子
冬の雨ぬれ深むいささかの草々/室生犀星
図書館にいてもいいけど冬の雨/高澤晶子
冬の雨まなぢりながく灯に坐る/藤木清子
冬の雨夕あかるみて止みにける/細見綾子
冬の雨山毛欅一幹にいさぎよし/倉橋羊村
冬の雨檜葉垣に見え初めにけり/佐野良太
冬の雨滲みて届く喪のはがき/佐藤のぶ女
冬の雨田の刈株にくろく降る/川島彷徨子
冬の雨鳥居をくぐると道曲り/新谷ひろし
野菜庫ヘコックの傘や冬の雨/楠目橙黄子
仮植ゑの庭木ぬらすや冬の雨/大場白水郎
