「柊の花」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「柊の花」について
【表記】柊の花
【読み方】ひいらぎのはな
【ローマ字読み】hiiraginohana
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「ひ」で始まる冬の季語
・「冬の植物」を表す季語
・「初冬」に分類される季語
月ごとの分類
柊の花を含む俳句例
柊の花一本の香かな/高野素十
柊の花に雨風終りけり/岸田稚
柊の花も蕾も銀の粒/橋爪巨籟
柊の花のこぼれや四十雀/浪化
十三夜柊の花香り出す/吉見春子
口漱ぐ花柊のちかくかな/中田剛
柊の花の下なる夜の土/石田勝彦
柊の花の英霊還りませ/萩原麦草
柊の花つめたさよ今朝の冬/篠原
柊の花に何喰む神の鶏/久米正雄
母がりや花柊の現はれて/岸田稚
柊の花音もなく海は夜に/村田脩
柊の花柊の葉を雨洗ふ/石川桂郎
柊の花の匂ひを月日過ぐ/野澤節子
花柊つつましかりし母の生/吉村正
寒天に大晴れしたる花柊/飯田蛇笏
黙の庭花柊は香をこぼし/中岡利子
抓みあげたる柊の花熱し/山西雅子
柊の花に明け行く霜夜かな/ぶん村
花柊農四代の香を放つ/平田マサ子
俳句例:21句目～
柊の花多ければ喜びぬ/中村草田男
柊の花と思へど夕まぐれ/富安風生
花柊朝に残れる雨少し/松崎鉄之介
花柊散る静かさの水屋窓/石川桂郎
花柊息ととのへて布裁てり/林敬子
花柊先生ひとり病ましめて/岸田稚
柊の花の香に闇深みたる/平賀扶人
花柊ドイツ髭文字教わりし/林壮俊
柊の花に落暉のとどまらず/吉岡宏
柊の花のこぼれを人知らず/上村占
柊の花最小をこころざす/藤田湘子
ひま～に散る柊の花細か/石黒不老坊
雌伏何時まで柊の花こぼす/藤田柊車
大き日が柊の花染めて落つ/和田祥子
妻も老い柊咲くと囁ける/加倉井秋を
書斎あり柊の花は夜匂ふ/今井つる女
柊の花こぼれゐる下駄履かな/飴山實
柊の花にもびびと翅音する/後藤夜半
柊の花のこぼるる幾夜かな/稲垣晩童
柊の花の上の霜や神の留守/松瀬青々
俳句例:41句目～
柊の花の香とある安息日/広瀬ひろし
柊の花の香よりも弱き日が/西本一都
柊の花は絲引き落つるもの/伊藤柏翠
柊の花ひらく日の神わたし/岡本松浜
柊の花人知れず人知れず/田畑美穂女
柊の花の富ならず貧ならず/赤羽岳王
白毛布チカ～柊の花に干す/久米正雄
花柊こころ誰にも覗かせず/山田瑞子
花柊もとより語り尽せざる/西村和子
花柊父子にひとり言が増え/宮津昭彦
花柊痛み無きとき我も無し/正木浩一
荒神を花柊の辺に拝む/長谷川かな女
軟膏たっぷり花柊の黄昏や/中北綾子
葉はふれず花柊の香には触れ/稲畑汀子
宇佐八幡出づるに匂ふ花柊/松崎鉄之介
大江山柊しげる世なりけり/越前-ゆき
柊の花に晴れたりクリスマス/籾山柑子
稚児行列柊の花こぼしゆく/甲斐ゆき子
柊の花のこぼれしあともなし/中岡毅雄
車椅子寄せてつみ折る柊の花/野村喜舟
俳句例:61句目～
柊の花にはいからさんとやら/松田貞男
花柊徒食のあかりまた灯す/鳥居おさむ
父とありし日の短かさよ花柊/野澤節子
柊の花なんぞ見て寒かりき/今井杏太郎
柊の花から白くこぼれ落つ/中村草田男
花柊野良着に小さき身八つ口/川島千枝
柊の花のともしき深みどり/松本たかし
歴史は暗しひひらぎの花白し/篠崎圭介
嘆息のびつしり白き柊咲く/加倉井秋を
柊咲き妻にも小さき詩ごゝろ/那須乙郎
花柊暮れどきの馬なつかしや/大峯あきら
柊の花どこにも帰りたくはなし/小池文子
向ひ合せて机を置いて花柊/長谷川かな女
虹立ちて柊の花散るいはかがみ/小林碧郎
思惟きらきらと柊の花こぼつ/伊丹さち子
ひひらぎの花のさだかに十三夜/高木石子
柊の花散りをりぬ咲きをりぬ/青柳志解樹
花ひひらぎ寝顔死顔にはあらず/野澤節子
製パンの白き背の人雨ひいらぎ/古沢太穂
さう言はれれば柊咲いている/阿波野青畝
俳句例:81句目～
今朝みれば柊咲いてをりにけり/高澤良一
柊の花にかぶせて茶巾干す/阿部みどり女
花柊日ざしは藍をまじへそむ/石田いづみ
粥すくう匙の眩しく柊咲く/長谷川かな女
花柊ささ濁る風ウェディングベル/尾田明子
朝降りの納屋閉ざす花柊に/飛鳥田れい無公
柊の花のしぐれに兄は病めり/冬の土宮林菫哉
柊咲くあとはこぼるるより他なく/加倉井秋を
花ひひらぎ昏れそめて雲冷ゆるなり/太田蓁樹
花柊「無き世」を「無き我」歩く音/中村草田男
ひひらぎ咲けりてのひらに愛みちみちて/八幡城太郎
花柊の白昏れのこる夕あかり彼の世からわれは覗かれゐたる/引野収
