季語/籠枕(かごまくら)を使った俳句

「籠枕」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「籠枕」について

【表記】籠枕

【読み方】かごまくら

【ローマ字読み】kagomakura

子季語・関連季語・傍題・類語など

・籐枕(とうまくら:tomakura)

季節による分類

・「か」で始まる夏の季語

・「夏の生活」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

籠枕を含む俳句例

高き門深き廂や籠枕/上村占

忘恩や片耳寒ぐ籠枕/藤田柊車

漆黒の揚羽蝶彫り陶枕/辻桃子

籠枕百夜通へる島の船/桂信子

硬くなる頭年々籠枕/高澤良一

籠枕に物相頭定年後/高澤良一

月影の洩れて涼しや籠枕/利会

戦争の後の余生を籠枕/長谷川櫂

きり~す啼せて寝たし籠枕/支考

新聞や鎮石にしたる籠枕/森無黄

籠枕もちて気軽に入院す/梶尾黙

籠枕編むや連峰雲の中/大島民郎

早起きが徒の寝不足籠枕/高澤良一

詩集より押花こぼれ籠枕/大島民郎

ちちははの遺影の下の籠枕/下田稔

籠枕骨身にひびく何々ぞ/長谷川櫂

籠枕島の泊りの雨に暮れ/大野林火

籠枕そを山風の吹き抜けて/飴山實

籠枕老妓にありし月日かな/井上雪

生き死にを俳諧の種籠枕/長谷川櫂

俳句例:21句目~

籠枕並べて夢のすれ違ふ/土生依子

籠枕真昼の夢はすぐ忘れ/吉屋信子

俳諧は業余のすさび籠枕/長谷川櫂

物忘れ多き頭をのせ籠枕/高澤良一

君が魂の蛾ぞ美しの籠枕/岡本松浜

陶枕の詞は孤閨歎きけり/由山滋子

夢のなか風吹き抜けて籠枕/檜紀代

陶枕の呉須の長江下りかな/飴山實

客来ると妻が隠せり籠枕/青木重行

陶枕に宮沢賢治読みきかす/辻桃子

籠枕仰臥の腹を凹ませて/岸風三樓

浅き世を浅き眠りの籠枕/三溝沙美

床の間に父の遺愛の籠枕/棚山波朗

籠枕水の流れる音のせり/阿部静雄

風かよふうなじ高しや籠枕/皆吉爽雨

からつぽの頭を載せて籠枕/田辺レイ

けぶりつつ来る波がしら籠枕/中拓夫

するすると涙走りぬ籠枕/松本たかし

首細くなりし思ひの籠枕/鈴木伊都子

鴎なほうかがつてゐる籠枕/杉野一博

俳句例:41句目~

虚事をうつくしく描き陶枕/大石悦子

ふる里や母の匂ひの籠枕/亀井すみ子

陶枕に昼寝て夜の磁気枕/中戸川朝人

もちあるく葉月なか日の籠枕/松崎豊

陶枕に昼寝の猫の似てきたり/日原傳

陶枕の置かれしゆゑの風通る/角光雄

をりをりの風が救ひや籠枕/高澤良一

籠枕父を恐れしこと不思議/大沢呑舟

一身のま直ぐに眼ざめ籠枕/皆吉爽雨

陶枕の青き山河に睡りけり/綾部仁喜

二三行読めばうとうと籠枕/酒井素女

亡き母の寝息聞こゆる籠枕/大西一冬

陶枕を借りて視線の鮮しき/都筑智子

陶枕を愛せり猫のかたちゆゑ/日原傳

口あけて寝たる僧都や籠枕/高濱虚子

引越の重き荷となる籠枕/宇多喜代子

棲みながら直す二階家籠枕/小川軽舟

気を張らぬ暮し好もし籠枕/松尾緑富

片よせてありし仏間の籠枕/後藤夜半

畳に頭あつちへやつて籠枕/川崎展宏

俳句例:61句目~

病みぬれば病とあそび籠枕/長谷川櫂

白晝の夢のぬけがら籠枕/大野せいあ

籠枕ことしの頭慣らしをり/高澤良一

籠枕して邯鄲の夢もなし/後藤比奈夫

籠枕そこそこの身のよこたわり/原裕

陶枕売る華僑の片言日本語/高澤良一

籠枕一つを友としたりけり/長谷川櫂

籠枕一つ出されて亀城館/成瀬正とし

籠枕一帙芭蕉句集かな/長谷川零餘子

籠枕新しすぎて逃げ易く/北川喜多子

籠枕滑らか白髪ふえけるや/大石悦子

読みかけの新聞を着て籠枕/相馬沙緻

雨やむを待ちて仮寝の籠枕/鈴木花蓑

青萩の昼青く置く籠枕/長谷川かな女

ありし人そこにあらざり籠枕/長谷川櫂

そこにあり見ればさびしき籠枕/森澄雄

たはむれに枕く籠枕髪噛みぬ/大石悦子

はかなさが骨身にこたへ籠枕/長谷川櫂

まろび寝や羅かゝる籠枕/長谷川零餘子

よき夢と覚えゐるのみ籠枕/片山由美子

俳句例:81句目~

陶枕のかたきを得たる九月かな/安住敦

世を一度捨てし身守りて籠枕/村越化石

喪の帰り籠枕見て買はざりし/宮岡計次

人の世の見るべきは見つ籠枕/長谷川櫂

籠枕眼の見えてゐる夢ばかり/村越化石

空しさに身をよこたへて籠枕/長谷川櫂

天井に抜げてもみたる籠枕/岩淵喜代子

陶枕の唐子散らしや宵の雨/小野恵美子

籠枕風吹きぬける音すなり/岩谷山梔子

籠枕なんにも仕掛なかりけり/小野克雄

耳の下風吹き抜ける籠枕/中畠/ふじ子

籠枕ひとつを抱へ家出せむ/宇多喜代子

籠枕ゆめの続きを揺りもどし/平川雅也

身のまはりすこし片付け籠枕/細川加賀

身をもたげて湖上を望む籠枕/高田蝶衣

籠枕ころがつている虚空かな/長谷川櫂

籠枕この世の母のやすらへる/長谷川櫂

陶枕も遺品の一つまどろまむ/稲葉百年

陶枕や上段の間のいまは無く/木村蕪城

陶枕や琉球駄菓子ほろほろと/村沢夏風