季語/扇風機(せんぷうき)を使った俳句

「扇風機」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「扇風機」について

【表記】扇風機

【読み方】せんぷうき

【ローマ字読み】sempuki

子季語・関連季語・傍題・類語など

季節による分類

・「せ」で始まる夏の季語

・「夏の生活」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

扇風機を含む俳句例

扇風機直立馬関領事館/辻桃子

方丈の五桁算盤扇風機/中村石秋

扇風機後ろ姿の首を振る/二村典子

山水を裏から眺め扇風機/永末恵子

久闊の何から話そ扇風機/高木晴子

扇風機髪も乱れず上布寂び/及川貞

扇風機吹き瓶の花撩乱す/高浜虚子

扇風機嘘八百を廻すかな/野村喜舟

首振の一芸をもつ扇風機/高澤良一

扇風機止り醜き機械となれり/篠原

牛小屋に板の翼の扇風機/茨木和生

扇風機まはれば心紛れをり/吉屋信子

馬病むや梁に首振る扇風機/中村房子

別れ来て対ふ声なき扇風器/石田波郷

前後左右妻の香が飛ぶ扇風器/中条明

扇風器をのれぞ恃む人の中/石塚友二

扇風器大き翼をやすめたり/山口誓子

どこからも入れる家の扇風機/後藤章

扇風機人は屈みて球を突く/京極杞陽

扇風機全速のひびき台より来る/篠原

俳句例:21句目~

扇風機夜の翼を休めをり/成瀬正とし

饒舌に立ち向ひたる扇風機/吉屋信子

ピザ店の大扇風機頭上より/高澤良一

扇風機大き翼をやすめたり/山口誓子

扇風機嫌ひな妻との四十年/高澤良一

人民公社会堂の大扇風機/片山由美子

何もなき袂吹かるゝ扇風機/日野草城

古本屋新書読みをり扇風機/町田一雄

扇風機山かたむきて河蒼む/飯田龍太

扇風機己が赤札を吹き廻る/岩崎敏子

扇風機廻る真下の席に著く/高濱年尾

天井に大扇風機ふいご吹く/早野信子

妻と子の同じ本読む扇風機/久米正雄

居ねむりの一人へ廻る扇風機/渋川絢

扇風機恍惚と首まはすかな/藤波銀影

扇風機悼みの風を送るなり/高澤良一

扇風機明日出走の馬にかな/石田克子

扇風機熊野の滝に近く寝て/角川春樹

扇風機籠のレモンに風送る/横山白虹

扇風機誰も無言の時愛す/古賀まり子

俳句例:41句目~

扇風機その饒舌に立ち向ふ/吉屋信子

東京大学総長室の扇風機/鈴木しげを

樽造り照らす如くに扇風機/辻田克巳

海よりの風に加へて扇風機/稲畑汀子

狩野派を一幅吊りて扇風機/京極杞陽

籐椅子の母に及ばず扇風機/久米正雄

足許に侍らせ首振り扇風機/高澤良一

道後の湯古りて天井扇風機/高澤良一

開き放つ座敷に古き扇風機/原田武次

首こきと鳴る骨董の扇風機/佐藤鬼房

ひとところ軋みて車内扇風機/辻田克巳

ああ不味きかもめ食堂扇風機/櫂未知子

あらぬ方吹きて元湯の扇風機/高澤良一

うなだれて靴修理屋の扇風機/今村妙子

駄菓子屋の店番をして扇風機/宮下邦夫

もの思ふごと扇風器休めるは/石塚友二

国境やシネマのなかの扇風機/大井恒行

扇風機右顧左眄して回りけり/大西一冬

扇風機外より見えて頼りなく/岩田由美

堆書裡に古扇風器吾としづむ/皆吉爽雨

俳句例:61句目~

扇風機止めればありぬ庭の風/塩田育代

不機嫌を打たれて廻る扇風機/中村翠湖

扇風機出す話など飛び出して/高澤良一

堆書裡に古扇風機吾としづむ/皆吉爽雨

夕闇にめぐる怪体や扇風機/芥川龍之介

差込みのどれも遠くて扇風機/山田弘子

扇風機横向いて夏去りにけり/高澤良一

扇風機あまり肋を冷やしては/高澤良一

本堂の如来の前の扇風機/大江/ちよ子

扇風機の風強くして法事終ふ/大吉敬子

扇風機万遍なくといふことを/高澤良一

扇風機ひとつの風に死者生者/今瀬剛一

扇風機とまり静かな目に没日/加藤楸邨

扇風機ゴムの広葉に灯の反す/原田種茅

扇風機の全速享けてひと黙る/野澤節子

扇風機一つに集ふ喪なりけり/橋本榮治

扇風機困り果てゐる貌へ向く/老川敏彦

盃洗にさゞなみ立つや扇風機/芝不器男

扇風機怒りはおごそかに育ち/櫂未知子

遺されしものに首振る扇風機/あざ蓉子

俳句例:81句目~

釣宿のあらぬかた向く扇風機/橋本榮治

扇風機吹き消す恋のささめ言/岡本綺堂

扇風機夜をまはる音の室隔つ/原田種茅

扇風機好むインコの喋り出す/堀口星眠

扇風機二階の壁を吹きゐたり/中烏健二

扇風機蔵書を吹けり司書居らず/森田峠

がら空きの電車をひやす扇風機/高澤良一

漁網編むひとりにひとつ扇風機/茨木和生

ひとり居のわれに首振り扇風機/細川加賀

わが背や誰が掛け呉れし扇風機/久米正雄

まっさらな暮しはじまる扇風機/相馬沙緻

扇風機あり休めあり吾を待たす/下村槐太

癖のある扇風機なり見てをりぬ/京極杞陽

駄菓子屋の奥見えてゐる扇風機/斎藤夏風

扇風機何も云はずに向けて去る/中村汀女

睡りたる子に止めて置く扇風機/稲畑汀子

扇風機嫌ひと言へずもてなされ/松尾白汀

扇風器模糊と眉目のあそぶなり/植村通草

扇風機かけてふはつく団扇あり/中村汀女

蔵ふかく扇風機錆び父在るごと/大井雅人